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リリース31年目のサプライズ、2つのLabVIEWとその違いはNIWeek 2017レポート(1/2 ページ)

National Instruments(NI)は、5月25日(現地時間)までテキサス州オースチンで開催中の年次カンファレンス「NIWeek 2017」で、システム開発設計ソフトウェアの新バージョン「LabVIEW 2017」と、新たに設計から見直した次世代版「LabVIEW NXG 1.0」を発表した。

» 2017年05月26日 13時30分 公開
[佐々木千之EE Times Japan]

驚きと期待

2代目CEOに就任した、Alex Davern氏

 National Instruments(ナショナルインスツルメンツ、以下NI)は、米国テキサス州オースチンのコンベンションセンターにおいて、2017年5月22日から25日まで、開発者や研究者、同社のパートナーなど数千人が集まるテクニカルカンファレンス「NIWeek 2017」を開催中だ。ここ何年も気温40℃を超える8月に開催されてきたが、今回から5月に移った。また2017年1月には、NIの創立者で40年間CEOを務めたJames Truchard氏(通称Dr.T)が会長になり、新たにAlex Davern氏がCEOに就任して迎える初のNIWeekでもある。

 そうした変化のあったNIWeek 2017の基調講演では、例年通りいくつもの新製品が発表されたが、なかでも驚きと期待を持って迎えられたのが、NIの計測プラットフォームの中核をなすシステム開発設計ソフトウェア「LabVIEW」の全面リニューアルバージョン「LabVIEW NXG 1.0」の発表だ。LabVIEW NXGは、従来のLabVIEWの30年に及ぶ実績を基に、テストや計測、制御を必要とするエンジニアが、より早く簡単に目的を達成できるよう、設計を一から見直し、5年をかけて新たに開発した次世代版LabVIEWである。

LabVIEW 2017+LabVIEW NXG 1.0のパッケージ。記録媒体は従来のDVDからUSBメモリに変わった。またロゴはモダンなデザインとなり、レモンイエローがテーマカラーになっている。

“つないですぐデータ計測”が可能に

 LabVIEW NXGでは、例えばデータ収集プラットフォームCompactDAQをPCに接続すると、その種類やそこに挿入されているI/Oモジュール構成を自動的に認識して、ウインドウ内に表示し、パネルを選んだりプルダウンメニューを選択したりするだけで、非常に少ないステップでデータ収集が開始できる。表示されているデータをマウスで操作することで、データの簡単な解析もすぐにできる。

ハードウェア検出パネルをクリックすると、接続されている機器を自動検出する。検出対象機器はNI製品だけでなく、他社の箱形計測器も含まれる

 従来のLabVIEWでは、CompactDAQのどの製品にどのI/Oモジュールが挿入され、どの入力でデータを集めているかや、その条件といったことを、まずアイコンなどを用いたブロックダイヤグラム(LabVIEWのプログラムコード)として、LabVIEWに設定する必要があり、慣れが必要だった。これに対してLabVIEW NXGは、ハードウェアの自動認識とインタラクティブな操作をすれば、バックグラウンドでブロックダイヤグラムが生成される仕組みで、ユーザーはLabVIEWのプログラミングの作法を覚える必要がない(プルダウンメニューやマウス操作でできない細かい設定は、ブロックダイヤグラムを変更することで可能)。つまり、計測開始までのハードルが大きく下がり、LabVIEW初心者でもつなぐだけですぐ計測できるようになった。

左=ハードウェアの構成ボタンをクリックすると、このようなダイアログを表示する。ピン配置図やマニュアルもここから呼び出せる / 右=データ収集、解析中の例。右側の「プロット」にあるプルダウンメニューから目的の解析を選ぶと左側の表示が切り替わる
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