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上司の帰宅は最強の「残業低減策」だ 〜「働き方改革」に悩む現場から世界を「数字」で回してみよう(41) 働き方改革(1)(6/11 ページ)

» 2017年07月13日 11時30分 公開
[江端智一EE Times Japan]

再就職から外国人活用まで

9.再就職支援環境

 いわゆるセーフティネットについては、「『働けない』正当な理由がある人はともかく、真面目に働く気力もない人間までも、どうして血税で守ってやる必要があるのか(生活保護制度)」などのさまざまな批判があります。

 現時点で、私の中で、1番しっくりきている意見は、「未来がないと絶望してしまった人が、ヤケを起こして混乱(殺人、暴動、テロ)を引き起す社会の損失よりは、圧倒的に安いから」です。

 これが本当なのかどうかは、今の私には分かりません。ただ、「社会損失」の話はさておき、個人が「未来がない」と思えてしまう社会(国家)に、「未来がない」のは確かだと思っています。

10. 教育

 私は、国家が提供する教育の目的とは ―― 「教育による幸せで楽しい人生の実現」の目的が「全くない」とは言いませんが、 ―― 結局のところ、「納税者製造システム」であると思っています。

 そんでもって、生産性やコストメリットの高い納税者を製造する高効率な手段として「競争原理(いわゆる成績とか入試とか)」を導入していると思っています。そして、当然ですが、競争力のある製品は、その資本力(いわゆる「教育費」)によって品質が決定します。

 ―― という、本音のぶっちゃけ論をぶちかました上で、政府の考える「働き方改革」の主張する"誰にでもチャンスのある教育環境"なるものを読み解いてみたいと思っています。

11.シニア/外国人活用

 多分、ここで言っている「外国人」とは、仕事で英語がしゃべれるか、しゃべれないとか、そういう次元の話ではないと考えています。今、私は、「病院のオフィシャルランゲージが「英語」となる」という恐ろしい未来を想定しています(参考:著者のブログ)。

 そして、シニア活用については、私にとっては喫緊の課題です。私のリタイア後が、喜びと尊厳に満ちたものになるのか、それとも、社会のお荷物としてさげすまれ、自尊心を損失するものになるのか ―― が、かかっているからです。これについては、命懸けで検討し、提案させて頂きたいと考えております*)

*)怖がりすぎかもしれませんが、まあ、あなたにもいずれ分かります(参考:著者のブログ

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