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ルネサス、感情エンジン対応R-Car開発キットクルマが感情をくみ取り応答

ルネサス エレクトロニクスは2017年7月19日、cocoro SBが保有する人工感性知能「感情エンジン」に対応した車載情報システム向けSoC(System on Chip)「R-Car」の開発キットを開発した。

» 2017年07月20日 11時00分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

新たなユーザーインタフェース提案へ

 ルネサス エレクトロニクスは2017年7月19日、cocoro SBが保有する人工感性知能「感情エンジン」に対応した車載情報システム向けSoC(System on Chip)「R-Car」の開発キットを開発したと発表した。同キットを用いることで、「感情を持ったクルマがドライバーの感情をくみ取り、ドライバーに合わせて最適な応答ができるクルマを実現できる」(ルネサス)という。2017年内に開発キットの販売を始める予定。

cocoro SBの「感情エンジン」感情生成技術イメージ (クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 cocoro SBの感情エンジンとは、音声分析による音声感情認識技術と、各種センサーからホルモンバランスを形成することによってデバイスの感情を生成し色などで感情を見えるようにする「感情地図」で表現する感情生成技術で構成される。

 感情エンジン対応のR-Car開発キットは、ドライバーの発する声から感情エンジンが認識した「自信」や「不安」といった感情に対しルネサスのR-Carが応答し、クルマがドライバーを思いやる新たなユーザーインタフェースで表現するシステムが開発できるもの。これにより、ドライバーの運転と自動運転の切り替え時に、ドライバーは言葉として同意していても、その声から「不安」感情が認識されればクルマ側から「自動運転を見合わせますか?」といった親切な応答を行うようなクルマの開発が可能になる。

「感情エンジン」の音声感情認識技術イメージ (クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 ルネサスでは、「ドライバーはクルマとの対話において、言葉の意味だけではなく、それを超えた感情をくみ取ってもらうことができるため、クルマから適切な応答を受けられる。これを人工知能(AI)の機械学習と結び付け、クルマとドライバーとの対話を学習するにつれ、ドライバーにとって最適な応答ができるクルマに成長することも期待できる」としている。

 ルネサスでは、感情エンジン対応R-Car開発キットを車載関連機器メーカーやIT企業に提案する方針。

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