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2017年度Q3の売上高は過去最高、アプライド3D NAND向け装置の成長に期待(1/2 ページ)

半導体製造装置の世界市場は活況である。業界最大手のアプライド マテリアルズは、2017年度第3四半期(2017年5〜7月)の売上高が過去最高となった。

» 2017年08月25日 15時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

製造装置の需要は1年前から高まる

 アプライド マテリアルズ ジャパンは2017年8月24日、東京都内で記者説明会を行い、2017年度第3四半期(2017年5〜7月)の業績や事業見通しなどについて語った。

 半導体製造装置の世界市場は活況である。SEMIによると2017年の販売高は過去最高の494億米ドルとなる見込みだ。伸長率は前年に比べ19.8%の増加となる。2018年も装置市場は続伸し、532億米ドルと予測されている。こうした背景には、IoT(モノのインターネット)や機械学習、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などの進化と実用化がある。

 半導体製造装置やディスプレイ製造装置メーカーの最大手であるアプライド マテリアルズ(Applied Materials)が発表した2017年度第3四半期業績にも、旺盛な半導体デバイス需要と、それに伴う製造能力の増強が反映されている。

アプライド マテリアルズ ジャパンの社長を務める中尾均氏

 アプライド マテリアルズの第3四半期売上高は37億4000万米ドルで、前年同期に比べて33%の増加となった。創業以来50年間で最高の業績だという。アプライド マテリアルズ ジャパンの社長を務める中尾均氏は、「製造装置の需要は1年前から高まってきた。特にアジア地域のファウンドリーやメモリメーカーの設備投資が需要をけん引している」と話す。同社は2017年第4四半期の売上高として、38億5000万〜40億米ドルの範囲を予想。その中央値では、前年同期に比べて19%の増加となる。

 第3四半期の業績をセグメント別に見ると、全売上高の68%を占める半導体システムズ部門は25億3200万米ドルで、前年同期に比べ42%も増加した。PVD(物理気相成長)装置とCMP(化学機械研磨)装置の需要が高水準で推移した。特に「CMP装置の売上高は、単体で第3四半期に過去最高となり、2017年通期では10億米ドルを上回る見込み」(中尾氏)だという。

 顧客へのソリューション提供に注力してきたアプライドグローバルサービス(AGS)部門も好調だ。売上高は7億8000万米ドルとなり過去最高となった。単なるスペアパーツの販売にとどまらず、保守点検などに付加価値を付けたソリューションビジネスを展開してきた。既設の8インチウエハー製造ラインを、新材料のGaN(窒化ガリウム)やSiC(炭化ケイ素)を用いた車載用パワー半導体製造ラインに切り替えるための技術サポートなども行う。

 こうした活動が業績向上にもつながっており、「AGS部門は15期連続で前年同期を上回っている」(中尾氏)という。同部門の売上高は、2017年通期でも前年比15%以上の伸びを見込む。

 ディスプレイアジェイセントマーケット部門の第3四半期売上高は4億1000万米ドルで、前年同期に比べて31%増となった。2017年通期では前年比50%増となる見通し。ディスプレイ向け装置について、「2018年度はモバイル機器用の有機EL(OLED)ディスプレイや、60型以上の大画面テレビ用10.5世代液晶ディスプレイのライン向け投資が活発になる。このため、売上高は30%以上の伸びを予想している」(中尾氏)と話した。

2017年度第3四半期業績の概要 (クリックで拡大) 出典:アプライド マテリアルズ ジャパン
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