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ニーズに沿って進化させる、オンセミがIoT開発キットを拡張embedded world 2018(1/2 ページ)

ON Semiconductorは「embedded world 2018」で、モジュラー構造の「IoT(モノのインターネット)開発キット」の機能拡張を図る、新たなシールド(ボード)を発表した。産業用IoTやウェアラブル機器の迅速な開発に貢献するという。

» 2018年02月28日 09時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

IoT開発キットの機能をさらに拡張

「embedded world 2018」でのON Semiconductorのブース

 ON Semiconductorは、ドイツ・ニュルンベルクで開催中の「embedded world 2018」(2018年2月27日〜3月1日)で、同社が提供する「IoT(モノのインターネット)開発キット(IoT Development Kit、以下IDK)」の機能を拡張するシールド(ボード)として、慣性センサーや環境センサーを搭載した「マルチセンサーシールド」や拡張版ソフトウェアを発表し、それらのデモを展示した。

 IDKは、Arm「Cortex-M3」コアを搭載したSoC(System on Chip)を実装したベース基板に、用途に合わせてさまざまなシールドを接続することで、IoT機器の開発をよりシンプルに、より速く実現できるようにする。シールドとしては、Bluetooth Low Energy(BLE)、SIGFOX、Thread、ZigBeeなどの各種通信機能をはじめ、センサー機能、モータードライバーなどのアクチュエーター機能を搭載したものをラインアップしている。IoT開発キットに搭載するSoCやセンサー、ドライバーICは、ほぼ全てON Semiconductorの製品である。

 2017年11月には、Bluetooth 5.0に対応する無線SoC「RSL10」を搭載した「BLEシールド」を発表したが、同シールドとマルチセンサーシールドを組み合わせることで、産業用IoT、スマートホーム、ウェアラブル機器などを迅速に開発できるようになるとする。

 併せて、IDKソフトウェアのバージョン4.0を発表。既存のバージョンでは、Altairのクラウドをネイティブでサポートしていたが、新バージョンではニーズの高かったIBMクラウドもサポートするという。IDKのベース基板上で動作するmbed OSのバージョンは5.5にアップグレードされている。

左=IDKのベース基板に、「マルチセンサーシールド」(右側に接続されている小さい基板)を接続した様子/右=ベース基板に、「BLEシールド」(上部の小さい基板)を接続している。(クリックで拡大)

 さらに、スマートフォンやタブレット端末からBLEを介してアクチュエーターの制御やセンサーデータの可視化を可能にするAndroidアプリも開発中だ。

開発中のAndroidアプリを表示したスマートフォン(クリックで拡大)

 ON Semiconductorは、IDKの発売以来、さまざまなシールドによって機能の拡張を図ってきた。直近でも、先述したBLEシールドや、環境発電により温湿度をセンシングする「SPS(スマートパッシブセンサー)シールド」を発表したばかりである。ON Semiconductorの上席副社長であるDavid Somo氏は、「アプリケーションの分野が多岐にわたるIoT機器の開発では、設計の柔軟性と、エンド・ツー・エンド(エッジからクラウドまで)をフルに対応できることが重要になってくる」と強調する。

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