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半導体パッケージング材料、2017年は167億米ドル2021年は178億米ドルに

半導体パッケージング材料の世界市場は、2017年に167億米ドルとなり、2021年には178億米ドルの市場規模に達する見通しだ。SEMIとTechSearch Internationalが発表した。

» 2018年04月25日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

2017年は仮想通貨用の出荷量が増加

 SEMIとTechSearch Internationalは2018年4月18日(米国時間)、2017年の半導体パッケージング材料市場が、全世界で167億米ドルに達したと発表した。2021年には178億米ドルの市場規模に達すると予測する。

 SEMIとTechSearch Internationalは、調査レポート「世界半導体パッケージング材料アウトルック」をまとめた。これによると、半導体パッケージング材料市場の拡大はこれまで、スマートフォンやPCの分野がけん引してきた。ところが近年、これら市場における材料消費量が減少している。これに対し、2017年から2018年始めにかけて、仮想通貨用フリップチップパッケージの出荷数量が増加したという。

 SEMIでは、「仮想通貨用フリップチップ基板を供給するラミネート基板サプライヤーは、2017年に出荷数量が増加した。今後はマルチダイソリューションの増加とウエハーレベルパッケージ(WLP)への移行により、その成長は減速する。一方で、WLP絶縁材料とメッキサプライヤーの売上高は、他の材料ベンダーより高い成長率を示すことになるだろう」と予測した。

 SEMIらは、これから数年間にわたって、半導体材料市場が影響を受ける技術トレンドなどをいくつか挙げた。「ラインアンドスペースが最小2μmまでは、FO(ファンアウト)WLPの採用が拡大」「液晶ポリマー(LCP)が、5G(第5世代移動通信)などのミリ波通信用途で期待」「MISなど再配線可能QFNパッケージ技術の採用が拡大」「車載用途にPPF(Pre-Plated Frame)QFNの使用量が増大」などである。

 このような技術トレンドを背景に、関連する材料の需要を予測した。レポートによれば、ラミネート基板市場は、2017年に売上高が60億米ドルを超えた。この数値はパッケージング材料全体の構成比の中で最大となる。全リードフレームの出荷量は、2017〜2021年における年平均成長率が3.9%と予測されている。特にリードフレームチップスケールパッケージ(QFNタイプ)は数量ベースで同8%と高い伸びを予測した。

 2017年における金ワイヤの出荷量は、ボンディングワイヤ全体の37%を占めた。この他、2017年の売上高は液状封止材が13億米ドル、ダイ接着剤は7億4100万米ドル、はんだボールは2億3100万米ドル、ウエハーレベルのはんだ材料は2億6300万米ドルとなった。

 2021年における材料市場は178億米ドルと予測した。特に、ICリードフレーム、アンダーフィル、銅ワイヤなどが、数量ベースで1桁の成長率を持続できるとみている。

 今回の調査レポートが対象とする材料分野は基板、リードフレーム、ボンディングワイヤ、モールドコンパウンド、アンダーフィル材料、液状封止材、ダイ接着剤、はんだボール、ウエハーレベルパッケージング絶縁材料および、ウエハーレベルはんだ材料である。

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