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量産に向けた「EUV」の導入、最終段階へSamsungは2018年内にも適用開始(1/2 ページ)

次世代のリソグラフィ技術を立ち上げようとする20年に及ぶ努力が、最終段階に入った。EUV(極端紫外線)ステッパーを量産向けに導入することについて、複雑な課題があるにもかかわらず、専門家らは楽観的な見方を維持している。

» 2018年06月01日 14時30分 公開
[Rick MerrittEE Times]

 次世代のリソグラフィ技術を立ち上げようとする20年に及ぶ努力が、最終段階に入った。EUV(極端紫外線)ステッパーを量産向けに導入することについて、複雑な課題があるにもかかわらず、専門家らは楽観的な見方を維持している。

 良いニュースとして、多くの企業がEUV技術の前進に関わっているという実態が挙げられる。imecで、テクノロジーおよびシステム部門のエグゼクティブバイスプレジデントを務めるAn Steegen氏は、「かつては、1つの企業が新しい半導体技術でリードするものだったが、現在では多くの技術系企業が同じ分野に参入し、困難な状況に耐え、リスクを負っている」と述べた。

 imecは長年にわたり、EUV装置の開発を手掛けるASMLと協力関係にある。2社は現在、ファウンドリーやサプライヤーとともに、次世代のチップを製造するための装置が抱える最後の主な欠陥を、解消しようとしている。

EUVリソグラフィの課題の推移 出典:imec(クリックで拡大)

 Steegen氏は、2018年5月23〜24日にベルギー・アントワープで開催された「imec Tech Forum」でのインタビューにおいて、「さらなる性能を向上を目指すためには、困難な課題を克服しなければならないという今の状況は、2008年にFinFETが登場したころによく似ている」と語った。

 「業界は、旧世代ノードの最良の状態と、新世代の最悪の状態とを比較していたが、現在では、FinFETが極めて高性能なデバイスであることに誰もが合意している。SoC(System on Chip)設計者が求めている性能向上を実現できるだけの材料はそろっている」(Steegen氏)

 32年間にわたりEUV分野に取り組んできたSteegen氏は、インタビューではなく非公式な会話(imec本社でコーヒーを買う列に並んでいるときに、言葉を交わした)で、「目下のところ、プレッシャーはかなりあるが、われわれは前進している」と話していた。

2018年内にもEUVリソを導入するSamsung

 Samsung Electronicsのファウンドリー部門は、2018年内にも、EUVを導入した7nmプロセスでの生産を開始すべく、ラストスパートをかけている。巨大なライバルであるTSMCに先行することを狙う。TSMCは既に、液浸ステッパーを用いた7nmチップを大量にテープアウトしている。

 TSMCとGLOBALFOUNDRIESは、EUVについて後れを取っているわけでなく、いずれも2019年には7nmプロセスで導入しようと計画している。

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