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» 2018年06月28日 15時20分 公開

100社に上るパートナー:“自動運転版Android”を作る、BaiduのApollo計画 (2/2)

[Yufy Zhang,EE Times China]
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Apollo計画のマイルストーン

 Baiduは、Apollo計画を発表する以前の2015年から、自動運転車の研究開発に膨大な資金を投じてきた。同社は2015年12月に、中国・北京の高速道路と都市道路上で、完全な自動運転車の試験を実施した。

 2016年9月には、米国カリフォルニア州で自動運転車の路上試験の許可を取得し、同年11月には、中国浙江省烏鎮(Wuzhen)において、オープンサーキットの自動運転車のテスト運用を行った。

 その後Apolloプラットフォームを正式に発表。業界全体から高い評価を得たが、Baiduは実質的に、何もリリースしていなかった。

 そして2017年6月5日、Apolloプロジェクトの中では重要なマイルストーンとなる、「Apollo 1.0」を発表した。Baiduは、このリリースにより、トラックの自動運転や、エンド・ツー・エンドでの自己位置検出など、非常に貴重なデータを利用できるようにしている。

 さらに2017年9月20日には、Apolloの「バージョン1.5」をリリース。オブジェクト認識と、ルートプランニング、クラウドシミュレーション、高精細マップサービス、エンド・ツー・エンドのディープラーニングなど、5つのコア機能を利用できるようにした。バージョン1.5を採用した自動運転車は、昼夜を問わず車線を固定した自動運転をサポートできるため、夜間でも物体を認識したり、変則的な交通シナリオの場合でも障害物を検知することが可能だという。2018年4月には、「バージョン2.5」をリリースしたばかりだ。

100社に上るパートナー

 Apolloの公式Webサイトでは、Apolloに参画する多くのパートナー企業を確認できる。その数は、既に100社に上る。Ford MotorやDaimlerといった自動車メーカーから、IntelやNVIDIAなどのチップメーカー、Microsoftなどのサーバプロバイダーまで、中国だけでなく、世界の大手企業も名を連ねている。

 自動運転は、多くの技術が関係する大規模で複雑なプロジェクトである。自動運転技術の中核となるのは、道路状況の画像を捉え、判断を下してから、自動車の動きを制御することだ。このことから、同技術は、周囲の環境に対する認知や計画、意思決定の他、マルチレベルの運転補助機能も備えた統合システムであるといえる。そのような統合システムでは、AI(人工知能)と自動制御に対する技術的要件は極めて高いものとなる。

 従来の自動車メーカーは、自動車を組み立てることには長けているが、ソフトウェアやアルゴリズム、インターネットコンテンツといった幅広い技術やサービスでの実績には乏しい。一方で、技術企業はまさにその逆である。例えば、AudiやBMWといった企業はAV技術を自社開発していないが、DelphiやMobileyeなどのベンダーと密接に協力している。GoogleやBaiduの自動運転部門は、従来の自動車のシャシーを再利用しながら、新しい技術を用いてそれらの自動車を改造している。

 自動車産業には100年の歴史がある。インターネット関連企業が自ら自動車を組み立てるのは難しい。最適なアプローチは、自動車メーカーと協力し、自動運転やインテリジェンスの未来を徐々に売り込んでいくことであろう。

 BaiduのApollo計画は、このアプローチに沿ったものである。この計画には、自動運転のコア技術に精通した企業が参加している。Baiduはそれら企業との協力を通じて、完全な自動運転ソリューションを開発しようとしている。

 携帯電話事業に参入したことがなかった企業でも、Androidのおかげで、スマートフォン市場の主要なプレイヤーになることができた。それと同様に、自動車メーカーも今後、Apolloをベースに独自の自動運転システムを開発できるようになるかもしれない。

 自動運転技術の開発において、Apolloをベースにしたソリューションは重要な意味を持つことになるだろう。そのようなソリューションは、規格を統一する機会をもたらすからである。多くのプロトコルやインタフェースは、単一のソリューションの規格に基づいて統合することができる。そうした動きが、自動運転車の普及の鍵となる可能性がある。

【翻訳:青山麻由子、田中留美、編集:EE Times Japan】

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