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SamsungがGPUを開発、スマホからスパコンまで対応?最初の搭載は「Exynos」か

Samsung Electronicsは、シミュレーションにおいては最高レベルのワット当たり性能を実現するというモバイルGPUを開発した。スマートフォンからスーパーコンピュータまで幅広い用途に対応する全く新しいアーキテクチャが採用されたという。

» 2018年07月26日 10時30分 公開
[Rick MerrittEE Times]

 Samsung Electronicsは、シミュレーションにおいては最高レベルのワット当たり性能を実現するというモバイルGPUを開発した。開発の概要を伝えたアナリストによると、このGPUには、スマートフォンからスーパーコンピュータまで幅広い用途に対応する全く新しいアーキテクチャが採用されたという。

 Jon Peddie Researhの代表であるJon Peddie氏は、自身上のブログで「これは大きな成果だ。全く新しいGPUが10年ぶりに開発された」と述べ、同GPUが開発されたニュースを伝えた。

 このニュースは、グラフィックスプロセッサ分野での競争が激化する中で伝えられた。Appleは現在、次世代iPhoneへの搭載を見込むモバイルGPUの開発に取り組んでいる。一方、Intelの元CEO(最高経営責任者)は、2018年初頭に、Intelが恐らくはPC向けのディスクリートGPUを2019年にリリースする計画であることを明らかにした。このGPUの開発を主導するのは、AMDのグラフィックス部門の元トップで、2017年末にIntelに転職したRaja Korduri氏であるといわれている。

 Peddie氏はSamsungのGPUについて、「AppleのGPUと同等の性能を持つ可能性がある。ただし、SamsungがいつどこでGPUを披露するのかは、まだ分かっていない」と述べた。

 Peddie氏は「設計が非常に優れており、あらゆるプラットフォームに搭載可能だ。これはSamsungが実現を狙っていた機能である。もし私がこのGPUを採用したら、コックピットからスーパーコンピュータまで、あらゆる用途に用いるだろう」と述べた。

Samsungの新型スマートフォン「Galaxy S9」と「Galaxy S9 Plus」(クリックで拡大)

 このGPUが初めて搭載されるのは、Samsungのスマートフォンプロセッサ「Exynos」になる見込みである。同社はこの技術のライセンスを供与するかどうかについて、現時点では決定していない。

 新たなレベルのワット当たり性能を実現するには、複数の命令を、単一サイクルで実行できるグループにまとめるようなアーキテクチャが必要だ。ただし、流行から外れたVLIW(Very Long Instruction Word)は用いない。オーバーヘッドが生じるからである。

 GPUの開発を主導したのは、グラフィックス分野での豊富な経験を持つChien-Ping Lu氏だ。同氏はNVIDIAでキャリアをスタートさせ、そこでPCグラフィックスICの開発を手掛けた後、MediaTekに移り、モバイルGPUの開発を担った。Peddie氏によると、MediaTekは競争力のある設計技術を有していたが、ArmやImagination Technologiesからライセンス供与されたコアを利用し続ける方針を決定したという。

 Lu氏はMediaTekの次にIntelに勤務したが1年足らずで退職し、AI(人工知能)関連の新興企業であるNovuMindに入社した。そして、再び1年もたたずにNovuMindを去り、長年にわたりひそかにグラフィックデザインに取り組んできたSamsungに加わったのである。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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