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京セラ、サンゴがよく育つLEDを開発――太陽光を再現2018年8月から販売開始

京セラは2018年7月26日、太陽光スペクトルに近い高演色LEDを活用した「アクアリウムLED照明」を同年8月中旬より発売すると発表した。同製品は「サンゴもハタゴもよろこぶ優しい光」をうたい、海中4カ所の深度における太陽光スペクトルを再現した製品ラインアップをそろえた。

» 2018年07月27日 10時30分 公開
[松本貴志EE Times Japan]

 京セラは2018年7月26日、太陽光スペクトルに近い高演色LEDを活用した「アクアリウムLED照明」を同年8月中旬より発売すると発表した。同製品は「サンゴもハタゴもよろこぶ優しい光」をうたい、海中4カ所の深度における太陽光スペクトルを再現した製品ラインアップをそろえた。

アクアリウムLED照明の製品ラインアップ(クリックで拡大)
左から深度調整、観賞用の「ディープブルー」、水深11mの光を再現した「アクアブルー」、水深2.5mの光を再現した「マリンブルー」、地上の太陽光を再現した「ナチュラルホワイト」

太陽光に近いスペクトルの光を1チップで実現

 同社は、赤、緑、青の蛍光体を調合する独自技術「CERAPHIC」を持ち、これらの蛍光体と紫色LEDを組み合わせることで、演色性の高いLED照明を実現した。同社製LEDは太陽光スペクトルの分布に近い発光をすることができ、さらにスペクトル傾向を調節できることから、サンゴや水草が実際に生息する環境の光を再現することができるという。

一般的なLEDと京セラ製LEDの比較(クリックで拡大)

 現在、アクアリウムの世界では水銀条約施行後のメタルハイドランプに代替する照明が求められている。期待が集まる光源の1つにLEDも挙げられるが、従来のLED照明下ではサンゴの白色化が進行するなど、育成が困難な海中生物には不向きだった。

 そこで、同社は静岡大学および新江ノ島水族館と協力して、アクアリウムLED照明の有効性を実証。サンゴの育成実験やアマモの生育実験を行った。いずれの実験でも、従来LED照明と比較して育成に有益な結果が出たとする。

左:静岡大学が行ったサンゴの育成実験。京セラ製LED照明の方がサンゴの色合いが強い 右:新江ノ島水族館が行ったアマモの生育実験。京セラ製LED照明のアマモがより成長した

 アクアリウムLED照明は、「10万円程度で販売を想定」(同社関係者)。同社のLED事業の売上規模は現在1億円程度とするが、2023年度までにアクアリウム照明領域で10億円、2025年までに全領域で100億円の事業目標を掲げている。

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