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見えない光で未来を明るく照らす ―― 新たな価値を生み続けるスタンレーの紫外/赤外LED殺菌、脱臭、硬化、セキュリティ……

紫外、赤外は見えない光だが、社会・環境課題を解決するチカラを秘める光として期待を集めている。そうした紫外、赤外の応用を広げているのがスタンレー電気(以下、スタンレー)のLEDだ。社会・環境課題の解決に挑むスタンレーの高出力紫外/赤外LED製品を紹介しよう。

» 2018年09月20日 10時00分 公開
[PR/EE Times Japan]
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 生命に欠かすことのできない存在である光。光と言えば、明るく、まばゆく、輝く光をイメージするだろう。しかし、人の目で見える光は一部だ。人の目には見えないがさまざまな機能を果たす光が存在する。

 波長約400〜800nmの光は人の目に見える可視光と定義され、それ以外の波長の光は、人の目に見えない不可視光と呼ばれる。この「見えない光」は、可視光より波長の短いものは紫外、長いものは赤外と大別される。紫外、赤外ともに、さまざまな作用があり、人々は古くから利用してきた。

波長マップ

 その代表的なものが、紫外による殺菌作用だ。その殺菌作用は、紫外線が含まれている太陽光に衣類や食品を当てる“天日干し”などの形で無意識に利用している。また、紫外光を発するランプなどの光源を利用し、医療器具や食品などの殺菌も行われている。

 赤外については、テレビやエアコンなどのリモコンに代表される通信手段や、監視カメラや各種センサーの光源として利用されていることをご存じだろう。

 古くから広く利用されている紫外、赤外だが、最近になって、一段と大きな注目を集めている。なぜなら、紫外光/赤外光を発するLEDが大きな進化を遂げているからだ。

紫外LEDの登場で、さまざまなところで殺菌など紫外光の利用が可能に

照明の光源が、電球や蛍光灯からLEDが置き換わってきたように、紫外線光源においても今、同様のことが起きつつある。紫外線を発するLEDが登場し、これまで主体だった紫外ランプ(殺菌灯)を置き換えようとしている。そして、紫外ランプよりも小型で、低消費電力、長寿命というLEDの利点から、紫外線の応用用途を大きく広げるものとして期待を集めているのだ。

波長265nmの深紫外(UVC)LEDとして業界最高水準の光出力50mWを誇る「YDU1105EAE」

 そうした中で、自動車用ランプ/LEDの世界的メーカーで、冷陰極紫外ランプなど各種光源を開発、販売してきたスタンレーは「見えない光」を、「これからの社会・環境課題を解決できる光」と位置付け紫外/赤外LEDの開発を積極的に展開している。

 見えない光が解決できる可能性を持つ社会課題の一つの例が、人口増加や産業発展による世界的な水需要の増加だ。水資源に限りがある中、人類は安全な水を確保し続けなければならない。劣悪な水環境に苦しむ人々は現在も絶えず、紫外線による水殺菌は世界的な社会問題解決の一助になる。また紫外線の樹脂硬化作用は、さまざまな製造現場で活用され、より高効率なLEDを実現できれば省エネルギーにも貢献できる。そこで、スタンレーは、光のチカラを最大限に引き出しながら、社会に安心・安全、省エネルギーをもたらす光源の提供を目指し、「見えない光」のLED製品ラインアップの拡充を相次いで行っている。

UVCによる殺菌原理

 深紫外と呼ばれる波長200〜280nm領域の光は、殺菌作用が得られる波長帯として知られる。その中でも、波長265nmの光は「最も効率的に菌のDNAに吸収され、菌の増殖に関わるDNA構造を変化させ、不活化、殺菌させる光である」とさまざまな研究で明らかになっている。しかしながら、波長265nmのLEDを製品化しているLEDメーカーは少ない。波長265nmのLEDは、275〜285nmといった長波長の深紫外LEDよりも高出力化が難しいとされるためだ。深紫外LEDはまだまだ発展途上の光源であり、光出力は紫外ランプに及ばない。そのため、比較的製品化が容易な波長275〜285nm領域での高出力化を優先しているLEDメーカーが多いのが実情だ。

 では、なぜスタンレーは高出力化が困難な265nmの深紫外LEDの製品化に挑み続けたのだろうか。

「波長265nm」で効率の良い殺菌ができる深紫外LED

 波長265nmと波長285nmでは、殺菌効果で大きな差が出る。菌種にもよるが、大腸菌(NBRC3301)では、波長265nmならば2.4倍の殺菌効果を得られることが実験で確認されている。この場合、出力100mWの285nm 深紫外LEDよりも、出力50mWの265nm 深紫外 LEDの方が高い殺菌効果を得られる上、消費する電力も少なくて済むという利点がある。スタンレーは、265nmでも高出力を得ることができる独自のLED素子製造技術を有し、実際に、265nmでは業界最高水準の出力50mWを実現した。同社はさらなる高出力化に向けて取り組んでおり、波長265nmのLEDで殺菌用途向け深紫外LED市場をリードしていく方針を貫くという。

殺菌効果比較

 高効率な殺菌が行える265nm 深紫外LEDの登場により、深紫外線による殺菌機能の応用用途は大きく広がる見込みだ。

深紫外(UVC)LEDのアプリケーション

 これまで、深紫外線による殺菌機能は、紫外ランプで実現されるケースが多かった。だが、紫外ランプは、高出力ではあるがランプサイズの小型化には限界があり、寿命も短いなど、使用用途が限定される課題がいくつか存在した。

 一方でLEDはサイズが小さく、家庭用浄水器や加湿器など比較的小型の機器にも組み込むことが可能になる。

 また紫外ランプは、環境負荷物質である水銀を含むという課題があり将来的には国際条約である『水俣条約』*)により規制される方向にある。現状、紫外ランプは代替手段がないために規制対象外になっているが、そう遠くない将来に深紫外LEDへの置き換えが検討され始めている。

*)水俣条約:水銀や水銀を使用した製品の製造、輸出入を規制する国際条約。正式名称は「水銀に関する水俣条約」。2017年8月から発効。

 スタンレーは環境・殺菌ビジネスを推進・展開する新たなプロジェクトを立ち上げ、紫外光源による気体・液体・固体の殺菌ビジネスに挑戦し続けている。

硬化用途に加え脱臭用途でも期待される近紫外LED

 紫外線では、波長315〜400nmの近紫外(UVA)LEDも技術進化が進み、応用範囲が拡大している注目領域だ。

 近紫外の代表的な作用は、樹脂などの硬化であり、さまざまな製造現場で応用される他、蛍光体発光作用による検査光源や誘虫灯としても利用される。最近では近紫外LEDの登場により、UVインクを使用したUVプリンターや小型3Dプリンターが実現され、普及が進む。さらに、387.5nm以下の近紫外は、酸化チタン(TiO2)などの光触媒を活性化させる性質を持ち、光触媒と組み合わせた脱臭作用も注目されている。

近紫外(UVA)LEDのアプリケーション

 近紫外LEDは、応用範囲の拡大により市場規模も大きくなり、今後、一層の需要拡大が見込まれている。

 こうした近紫外LEDの需要拡大に対し、スタンレーはさまざまな市場ニーズに応えられる豊富な近紫外LED製品のラインアップを拡充している。光出力950〜1100mWクラスのミドルパワーレンジ、光出力1400〜1600mWクラスのハイパワーレンジ、それぞれで波長365nm、385nm、395nm、405nmの製品をそろえる。

気密封止パッケージを採用したハイパワーUVA LED

 近紫外LED市場でも、設備の高速化や使用LED個数の抑制などにつながる高出力化の要望は強く、スタンレーとしても高出力化に向けた開発を継続的に実施している。また高出力化と同時に、メンテナンスの頻度を下げるため長寿命が強く求められている。さらに自動車向けLEDで培った高信頼性技術である高放熱性パッケージ技術を応用。放熱性は、LEDの信頼性を大きく左右する要素の一つであり、LEDから発生する熱を効率よく外に逃がすことが求められる。スタンレーでは、車載用途で実績のある高放熱性パッケージを近紫外LED製品に適用し、波長365nmにおいて光出力950mW品で3.0℃/W、同1400mW品で3.5℃/Wという業界トップクラスの低熱抵抗を実現している。さらに、湿気やアウトガスからLEDを保護する気密封止パッケージ技術の近紫外LEDへの適用も開始する。現状、気密封止ではない通常構造のパッケージでも、常温、最大定格駆動の条件下で1万時間経過時、70%の光出力を維持するが、気密封止パッケージ品ではさらなる長寿命が実現されることになる。

 これらの技術により、高出力、長寿命、高信頼性を両立している点がスタンレーの近紫外LEDの特長となっている。

センサーの光源として需要が高まるハイパワー赤外LED

 紫外とともに「見えない光」である赤外を発光する赤外LEDについても近年、需要が高まっている。

 赤外LEDは、近年登場してきた紫外LEDと異なり、その歴史は古い。スタンレーも、1970年代から、赤外LEDを開発、商品化し、家電製品のリモコン、赤外線通信システムを中心に広く使われてきた。近年ではカメラ需要の増加とともに、その補助光源である赤外LEDの利用も拡大している。

赤外LEDの主なアプリケーション

 世界的にテロや犯罪の脅威が高まる中で、監視カメラなどのセキュリティシステムの整備が進められている。国際的イベントの開催が迫る日本国内でも、急ピッチで整備が進められており、監視カメラ用補助光源として、赤外LEDの需要が拡大している。

一方、自動運転の実現に向けて著しい技術進化が進む自動車でも、カメラ/イメージセンサーの搭載点数は右肩上がりに増えており、そうしたセンサー光源としても赤外LEDの需要が高まっている。特に現在、急速に需要が高まっている用途が、居眠りなど運転手の状態を検知するドライバーモニタリングシステム(Driver Monitoring System:DMS)だ。DMSは、運転手の正面からイメージセンサーで撮影し、運転手の状態を検知するシステムであり、バスやタクシー、トラックなどの商用車で搭載が始まっている。イメージセンサーで撮影するには当然、暗い夜間を中心に照明が不可欠になるが、安全上、車室内を明るく照らすことはできない。そのため、赤外LEDは光源として欠かせない存在になっている。

 こうした需要が拡大を続けるセンサー光源に対し、スタンレーは高効率ハイパワー赤外LEDを展開している。2017年10月には、業界トップクラスの発光効率を誇る製品の出荷を開始した。

 そのうち波長940nm品「MFN110□MS」は、投入電力1W当たりの光出力が633mWという極めて高い発光効率を達成。波長850nm品の「MGN110□MS」についても、611mW/Wという発光効率を実現している。

赤外LEDの発光効率比較

 さらにこの製品は、順方向電圧(Vf)の低いLED素子を採用することで消費電力の低減を図っている他、低熱抵抗の独自パッケージにより発熱を大幅に低減している。ハイパワー赤外LEDは、他のLED同様に高温環境では出力が低下し、動作寿命は縮まる。場合によっては高温でLEDが破壊される。そのため、ヒートシンクの取り付けなど熱対策が必要になった。一方で、発熱を大幅に抑制した新製品を使用すれば、そうした熱対策を簡素化できるようになる。

 なお、波長のバリエーションは、855nm品(光出力1100mW)と、945nm品(光出力950mW)があり、それぞれ指向半値角60度タイプと120度タイプを用意。さらに、車載品質に対応した高信頼性パッケージ品と、監視カメラなどに向けたブラックパッケージ品をラインアップする。赤外ハイパワーLEDながら、信頼性重視用途とコスト重視用途それぞれに応じたパッケージを選択できるという点も、スタンレーの赤外LED製品の特長といえる。

 スタンレーは「スタンレーグループビジョン」の中で、光による5つの価値の探求によって社会的価値を創造するとうたっている。

光の5つの価値 光の5つの価値

 紫外、赤外ともに目には見えない光だが、環境・社会課題に対する一つの解決策をもたらすほどの大きなチカラを秘める光だ。スタンレーは、高出力・高信頼の紫外/赤外LEDを通じて、社会に貢献していく――。

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提供:スタンレー電気株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2018年10月19日


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