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5Gで水晶の置き換え狙う、±5ppbの「MEMS OCXO」周波数安定性は水晶比で10倍(1/3 ページ)

SiTimeは2018年11月5日、主に5G(第5世代移動通信)ネットワークで使用されるタイミングデバイス向けに、恒温槽型(オーブン制御)のMEMS発振器を主製品とするプラットフォーム「Emerald」を発表した。±5ppb〜±50ppbという高い周波数安定性を実現している。

» 2018年11月06日 13時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

 SiTimeは2018年11月5日(米国時間)、主に5G(第5世代移動通信)ネットワークで使用されるタイミングデバイス向けに、恒温槽型(オーブン制御)のMEMS発振器を主製品とするプラットフォーム「Emerald」を発表した。9×7mmという小型パッケージながら、±5ppb〜±50ppbという高い周波数安定性(精度)や、±50ppt/℃の周波数傾斜(ΔF/ΔT)、±0.1ppb/gの耐振動性を実現していることが最大の特長だ。なお、「OCXO」は「Oven Controlled Crystal Oscillators」の略語であることから水晶を指す。本記事では、水晶発振器の場合は単に「OCXO」とし、SiTimeのEmeraldを指す場合は「MEMS OCXO」と記載する。

SiTimeが発表したMEMS OCXOのプラットフォーム「Emerald」

 SiTimeが狙うのは、特に通信分野において、水晶発振器の中でも最も高精度なOCXOの置き換えだ。

 SiTimeのマーケティング部門でエグゼクティブバイスプレジデントを務めるPiyush Sevalia氏は、「OCXOに比べて、±50ppt/℃の周波数傾斜は約10倍、±0.1ppb/gの耐振動は約20倍を実現している」と強調する。

左=EmeraldのMEMS OCXOでは、−40〜80℃においてほぼ±1ppbの周波数安定性を維持していることが分かる/周波数傾斜(ΔF/ΔT)は、OCXOと比較するとかなり安定していることが示されている 出典:SiTime(クリックで拡大)
左=上がMEMS OCXO、下がOCXO/横から見たところ。左がMEMS OCXOで、右がOCXO。MEMS OCXOの高さは6.5mmと低い。既存のOCXOの高さは約10mmで、さらにその上にカバーが置かれる(クリックで拡大)
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