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» 2018年11月16日 11時30分 公開

electronica 2018:「e-AI」で破壊的なイノベーションを、ルネサス 横田氏 (2/2)

[村尾麻悠子,EE Times Japan]
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「e-AI」におけるIDTとの相乗効果は

EETJ ルネサスは2018年9月にIDTの買収を発表しました。まだ完了してはいませんが、e-AIにおいて期待できるIDTとの相乗効果は何かありますか。

横田氏 最も期待しているのはセンサーだ。IDTは多彩なセンサーを持っている。e-AIの狙いの一つに、複数の種類のセンサーと組み合わせるマルチモーダルがある。さまざまなセンサーと組み合わせることで、これまではできなかったシステムを実現する方法だ。例えば、高級なCMOSセンサーではなく、100円や200円の安価なセンサーを複数使うことで、同じようなシステムを構築するといった具合だ。このマルチモーダルとDRP技術を組み合わせれば、組み込み機器のインテリジェンス化はそれほどコストをかけずとも飛躍的に向上する。

EETJ 低コストという点がポイントですね。

横田氏 これからは価格やコストが、より注目されるようになっていく。

 これまでは高性能がひたすら求められ、ユーザーは、組み込み機器にAIを搭載する場合も、まずはGPUや高性能プロセッサを使って試作してきた。それによって、「どの程度のプロセッサを使えば、どの程度のAI処理ができるのか」という知見を積んでいるので、RZ/A2MでどんなAI処理ができるかも見当がつくだろう。そうなれば、「低価格のRZ/A2Mでも十分な用途」が出てくるのではないか。RZ/A2Mを使うことで、AIを搭載した安価な組み込み機器の開発が加速し、広がっていくと期待している。

 AI分野において破壊的なイノベーションに挑戦するというのが、われわれの意気込みだ。e-AIによって、他社とは異なる位置付けで、その破壊的な取り組みを進めていく。

ソリューションを“面”で広げていく

EETJ インダストリアルソリューション事業部として、2019年の重要な取り組みは何でしょうか。

横田氏 まず経営面では、IDTとの買収完了が大きな局面となる。ルネサスという企業は、どちらかというとマイコンやSoC(System on Chip)というデジタル技術が中心になっている。さらなる成長を維持するには、周辺のアナログ回路やセンサーを、マイコンやSoCと組み合わせたキットソリューションが重要になる。

 それも単なるキットソリューションではなく、旧Intersilのアナログ/パワー技術と組み合わせて価値を高めたようなソリューションを増やしたいと考えている。

 当社は2013年の構造改革以降、ソリューションカンパニーをうたい、デバイス単体ではなくソリューションの提供に注力している。ここ数年で、マイコンやSoC、つまりデジタル系については、ソリューションとしての提供がかなり進んできた。ただ、これをもう少し“面”で広げる必要がある。そこで、周辺のアナログ回路、電源回路、センサー、RFを含めたソリューションを提供するために、M&Aを行っている。ソリューションを“面”で広げることで、われわれのビジネス全体が拡大していくと考えている。

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