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» 2018年11月20日 10時30分 公開

超低消費電流を実現したASSP:環境発電で“欠けていたピース”埋める、ルネサスのSOTB (1/2)

ルネサス エレクトロニクスはドイツ・ミュンヘンで開催された「electronica 2018」(2018年11月13〜16日)で、エナジーハーベスト(環境発電)で得たエネルギーで駆動できる組み込みコントローラー「R7F0E」を発表した。核となるのはルネサス独自のプロセス技術「SOTB(Silicon On Thin Buried Oxide)」である。

[村尾麻悠子,EE Times Japan]

 ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)はドイツ・ミュンヘンで開催された「electronica 2018」(2018年11月13〜16日)で、IoT(モノのインターネット)機器向けにエナジーハーベスト(環境発電)で得たエネルギーで駆動できる組み込みコントローラー「R7F0E」を発表した。ルネサス独自のプロセス技術である「SOTB(Silicon On Thin Buried Oxide)」を採用した製品となる(関連記事:「環境発電で動作するコントローラー、ルネサスがSOTBを初適用」)。

思わぬ協業も生まれた

 エナジーハーベストの技術は、だいぶ以前から存在する。だが、そもそも発電できる電力が非常に小さいということもあり、展示会などではデモをよく見かけても、「これぞエナジーハーベストならでは」と実感できるユースケースがあまりなかったというのが本当のところではないだろうか。

 ルネサスのインダストリアルソリューション事業本部 ホームソリューション事業部で事業部長を務める守屋徹氏は、「R7F0Eによって、エナジーハーベストを、より本格的に実用化できるデバイスが登場したと言えるのではないか」と述べる。

 ルネサスはここ1年で、R7F0Eの説明のために既に多くの顧客を訪問している。そうした中、顧客企業が「うちには、こんな技術があるのだが、SOTBコントローラーと組み合わせればエナジーハーベストのソリューションができるかもしれない」と言い出すこともあったという。その一例が、electronicaで披露した、リコーや東レの技術と組み合わせたデモだ。リコーの例では、リコーが開発した発電ゴムで得られた電力で、R7F0Eがディスプレイを駆動した。東レの例では、東レの特殊繊維で計測した脈拍を、太陽光発電で得られたエネルギーによってR7F0Eが測定し続けていた。

「electronica 2018」での「R7F0E」を使ったデモ。左はリコーの技術を使ったデモで、右は東レの布を使ったデモ。デモの詳細は前述の記事にて紹介(クリックで拡大)

 「このように顧客を訪問することで、R7F0Eのような、エナジーハーベストによる微小電流で駆動できるデバイスの登場を待っていた技術が、世の中には多数あるということが分かった」と守屋氏は語る。「こうした経緯から、われわれのSOTBコントローラーは、ローパワーMCUというカテゴリーの製品ではなく、エナジーハーベスト専用のコントローラー(ASSP)という、ルネサスの新しい製品カテゴリーを確立できるのではないか。今までのマイコンではできなかったことが、SOTBコントローラーならばできるようになるのではないか、との確信を強めた」(同氏)

 守屋氏は、「エナジーハーベストの実用化において、これまで欠けていたピースを埋めることができるのではないか」と述べる。

R7F0Eを使ったデモ(スマート農業における土壌センシング)の前に立つ守屋徹氏
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