EETJ 新製品開発に向けた投資についてはいかがですか。
Scheper氏 研究開発投資についても積極的に行っている。
国吉氏 この1年間でも約800品種の新製品を投入した。ダイオード、トランジスタ、汎用ロジック、パワーMOSFET、ESD、いずれでも新製品を投入している。
パッケージについても開発を強化しており、例えば、従来のD2PAK相当のパッケージが必要になったパワーを、8×8×1.65mmサイズで扱える「LFPAK88」をこのほど開発し、デザインインが好調に進んでいる。2019年4月から量産を開始できる見込みであり、2019年に期待できる製品の一つになっている。
EETJ ディスクリート、ESD、汎用ロジック、MOSFETという製品領域以外に参入するというお考えはありますか?
Scheper氏 Nexperiaとして、マイコンなどの製品分野に参入するということは一切考えていない。あくまで、ディスクリート、汎用ロジックの専業メーカーとして成長していく。
EETJ IGBTなど、よりハイパワーのディスクリート領域への参入については?
Scheper氏 ハイパワー領域については、狙っていきたいと考えている。ただし、IGBTは多くのプレイヤーが存在する市場であり、そこに参入するのは得策ではない。われわれとしては、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)といった化合物半導体材料を用いた次世代パワーデバイスで、ハイパワー領域に参入したいと考え、研究開発を進めている。
EETJ SiC、GaN、双方で開発を進めているのですか。
Scheper氏 両方で開発を行っている。GaNデバイスについては、自動車で必要される1200V耐圧クラスを狙っており、まもなく、何らかの発表が行えるのではないだろうか。個人的には、2019年に製品化したいという希望を持っている。
EETJ IPOの予定、M&Aに対するお考えをお聞かせください。
Scheper氏 IPOについては、コメントできることはない。ただ、言えることは、われわれは自社の資金で、設備投資を行ってきたし、今後も積極的な設備投資を継続できる資金があるということだけだ。
M&Aについては、SiCやGaNなどの技術を持つ企業などには興味を持っているが、同業との合併などの必要性はないと思っている。
EETJ 先ほど、2019年も2017〜2018年と同じく20%程度の売上成長を目指すとおっしゃいましたが、2019年の市況はどのように見ておられますか?
Scheper氏 経済情勢を予測することは非常に難しいが、われわれがターゲットにしている市場の規模は2019年、前年比4〜5%程度、成長すると見ている。市場がその程度、成長すれば、われわれは20%近い売上成長を目指せる。よほど大きな経済危機が起こらない限り、成長を持続できると考えている。
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