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» 2019年02月21日 10時30分 公開

新開発のSR‐BIST機能も搭載:車載制御マイコン、ハードによる仮想化が可能に

ルネサス エレクトロニクスは、次世代の車載制御マイコンに向けて、ハードウェアによる仮想化支援機構や、スタンバイ‐レジューム自己故障診断(SR‐BIST)機能などを開発した。フラッシュメモリ混載28nm低電力プロセスを用いてテストチップを試作し、これらの機能について動作を確認した。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

フラッシュメモリ混載28nm低電力プロセスで試作

 ルネサス エレクトロニクスは2019年2月、次世代の車載制御マイコンに向けてハードウェアによる仮想化支援機構や、スタンバイ‐レジューム自己故障診断(SR‐BIST)機能などを開発したと発表した。フラッシュメモリ混載28nm低電力プロセスを用いてテストチップを試作し、これらの機能について動作を確認した。

 試作したテストチップには、動作周波数が600MHzのCPUを4コアと容量16Mバイトのフラッシュメモリの他、「マイコンの仮想化を実現するための仮想化支援機構」や「SR-BIST機能」「SGMII(Serial Gigabit Media Independent Interface)規格対応のギガビットイーサネットインタフェース」などを新たに開発し、搭載した。

 新開発の仮想化支援機構は、仮想化時のオーバーヘッドを低減し、応答性能を高めることができるようにハードウェア化した。これにより、異なる機能安全レベルのソフトウェアを独立させて複数動作させることが可能となり、自動車向け機能安全規格「ISO 26262」の「ASIL D」に対応する。

 マイコンの自己故障診断を行うBIST(Built-in Self-Test)機能も強化した。SR‐BISTと呼ぶ新しい機能は、電流変動率を抑えてスタンバイ状態から復帰(レジューム)する間に故障診断を実行する。

 具体的には、チップがスタンバイから復帰する際、CPUが動作する前にSR‐BISTを実行する。この時、チップ上に集積されたオシレーターのクロックを故障診断に用いる。このクロック周波数をN/M分周期で緩やかに増加させる。これによって、SR-BIST実行時の電流変動率を、従来の6分の1に低減したという。

 もう1つは、電気的ノイズ耐性に優れたSGMII規格に準拠した5V対応ギガビットイーサネットインタフェースを搭載したことである。受信回路の入力インピーダンス低減と送信回路の出力減衰を補償したことで、シミュレーション波形で送信波形の立ち上り/降下時間を50%、受信波形の振幅を22%、それぞれ改善することができたという。

 なお、今回の研究成果は半導体集積回路技術の国際会議「ISSCC(International Solid-State Circuits Conference) 2019」(2019年2月17〜21日、米国カリフォルニア州サンフランシスコ)で、その詳細を発表した。

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