リアルタイムイーサネットなどの産業用通信規格を搭載したカスタムモジュールの受託開発や製造を手掛けるドイツのHilscher(ヒルシャー)は、組み込み技術の国際展示会「embedded world 2019」で、「Raspberry Pi 3 Model B」(element14製)をベースにした産業用プラットフォーム「netPI(ネットパイ)」を展示した。
リアルタイムイーサネットなどの産業用通信規格を搭載したカスタムモジュールの受託開発や製造を手掛けるドイツのHilscher(ヒルシャー)は、組み込み技術の国際展示会「embedded world 2019」(2019年2月26~28日、ドイツ・ニュルンベルク)で、「Raspberry Pi 3 Model B」(element14製)をベースにした産業用プラットフォーム「netPI(ネットパイ)」を展示した。FA(ファクトリーオートメーション)などにおいて、エッジのコントローラーやスレーブなどを構築する用途を想定している。
産業利用が進んでいるRaspberry Pi(ラズパイ)だが、ボードの基本的な構成は非産業用途を想定したものとなっている。Hilscherは、ラズパイに、PROFINETやEtherNet/IP、EtherCATのインタフェースを追加するモジュール「netHAT」を提供している。netPIは、このnetHATとRaspberry Pi 3 Model Bを組み合わせてシングルボードとし、それを金属のシャシーに収めたもの。制御盤などのDINレールに取り付けられる。通常版の「netPI CORE 3」と、イーサネットのポートを2つ追加した「netPI RTE 3」の2種類がある。
シャシーの下側には、RS232などのインタフェースをさらに追加できるモジュールを挿入できるようになっている。
EN 55011とIEC 61000のEMC規格に準拠していることに加え、動作温度範囲は-20~60℃となっている。24Vの電源に対応する。ユーザーアプリケーションは、オープンソースソフトウェアであるDockerでのみ追加できる。
HilscherのDistribution Sales Managerを務めるOliver Heidl氏は、「安価で普及しているラズパイをベースにすれば、容易に産業用プラットフォームを構築できる。ラズパイの産業利用へのニーズも高まっている」と話す。
2019年内には、LTEにつながるnetPIも市場に投入する予定だ。
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