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Cypress、新世代車載マイコン「Traveo II」を発表点ではなく、面で攻める(1/2 ページ)

Cypress Semiconductorは2019年3月12日、新たな車載マイコン製品群「Traveo II」を発表した。従来製品よりも、多くの製品種を展開し、より幅広い車載アプリケーションに対応する。既にサンプル出荷を開始していて、量産出荷は2019年10〜12月から開始する予定だ。

» 2019年03月13日 10時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 Cypress Semiconductorは2019年3月12日、新たな車載マイコン製品群「Traveo II」を発表した。従来製品よりも、多くの製品種を展開し、より幅広い車載アプリケーションに対応する。既にサンプル出荷を開始していて、量産出荷は2019年10〜12月から始める予定だ。

 Cypressは、車載マイコンとして、これまでArm Cortex-R5をCPUコアに備えた「Traveo」を展開。今回、発表したTraveo IIは、Traveoの後継製品に相当し、40nmプロセスを使用して製造する(第1世代Traveoの製造プロセスは40〜90nmプロセス)。

Cypressの車載マイコンの変遷 (クリックで拡大) 出典:Cypress Semiconductor

幅広いラインアップでスケーラビリティを提供

Cypress Semiconductor シニアヴァイスプレジデント兼日本サイプレス会長 布施武司氏

 「自動車開発現場の開発負担は重くなっている。特にソフトウェアの開発負担は重く、開発効率を高めることが要求されている。ソフトウェアを処理するマイコンに対しても、ピン互換などを保った幅広いラインアップにより、ソフトウェアが流用しやすいスケーラビリティが求められている。Traveo IIは、点ではなく、面を構成するスケーラビリティを持たせ、顧客の開発効率を高めることをコンセプトにして開発した」(Cypress Semiconductor シニアヴァイスプレジデント兼日本サイプレス会長 布施武司氏)という。

 Traveo IIが搭載するCPUコアは、第1世代のTraveoが採用したArm Cortex-Rシリーズよりも、性能面で下位に位置するArm Cortex-MシリーズのArm Cortex-M4ないし、Arm Cortex-M7を採用した。Arm Cortex-Mシリーズを採用した理由について布施氏は「Arm Cortex-M7がArm Cortex-R5に劣るということはなく、リアルタイム性能についてもArm Cortex-M7の方が優れている。Cypressとして車載マイコン以外にも多く採用するArm Cortex-Mシリーズの方が、Arm Cortex-Rシリーズよりも最大限性能を引き出せ、開発効率を高めることができると判断した」と説明。開発効率を高めることにより、幅広い製品ラインアップの早期構築を目指している。

スケーラビリティを重視した 「Traveo II」(クリックで拡大) 出典:Cypress Semiconductor
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