NVIDIAは、高い演算性能を持ちながら消費電力が小さいCUDA-X AI(人工知能)コンピュータ「Jetson Nano」を発表した。開発者や個人のクリエーターなどに向けた「開発者キット」の価格はわずか99米ドルである。
NVIDIAは2019年3月18日(米国時間)、高い演算性能を持ちながら消費電力が小さいCUDA-X AI(人工知能)コンピュータ「Jetson Nano」を発表した。開発者や個人のクリエーターなどに向けた「開発者キット」の価格はわずか99米ドルである。
Jetson Nanoは、128コアを集積したNVIDIA MaxwellアーキテクチャベースのGPUや、Quad-core ArmA57コアを実装したCPUなどを用いている。高解像度センサーに対応しており、複数のセンサーで収集したデータを並列処理することができる。演算性能は472GFLOPSを実現しつつ、消費電力はわずか5Wに抑えた。
Jetson Nanoとして今回は、安価な開発者キットと、量産を視野に入れてエッジ機器を開発する企業向け「モジュール」(1000個購入時の単価は129米ドル)の2種類を用意した。主要なAIフレームワークに対応しており、アプリケーションに最適なモデルやフレームワークを選択して、製品に組み込むことができるという。
Jetson Nano開発キットを用いると、個人のクリエーターや学生などが、AIプロジェクトを立ち上げてシステム検証を行ったり、モバイルロボットやドローンの開発に取り組んだりすることが、比較的容易に行える。外形寸法は100×80mmである。
Jetson Nanoモジュールは、ネットワークビデオレコーダーシステムやホームロボット、分析機能を搭載するゲートウェイ機器といった、新たに登場する組み込み機器の用途に向けた製品。量産品への実装も可能で、電力効率の高いAIシステムを効率よく開発することが可能となる。外形寸法は70×45mmである。
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