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» 2019年03月25日 09時30分 公開

ハードの購入を控える傾向を受け:米新興企業、“サービスとしてのチップ”を提供へ

米国の新興企業であるPacketのZac Smith氏は、「ハイエンドプロセッサとアクセラレーターは、サービスとして販売される必要がある」と述べている。

[Rick Merritt,EE Times]
PacketのZac Smith氏

 米国の新興企業であるPacketのZac Smith氏は、「ハイエンドプロセッサとアクセラレーターは、サービスとして販売される必要がある」と述べている。

 Smith氏が設立しCEO(最高経営責任者)を務めるPacketは、独自のデータセンターで稼働するクラウドサービスを提供する。同氏は良いニュースとして、「ハードウェアのイノベーションが進み、半導体の黄金時代が再び訪れようとしていること」を挙げている。

 一方、悪いニュースとして、「企業がハードウェアの購入を控える傾向にあること」を挙げる。Smith氏いわく、「試したことがないものはもちろんのこと、Intelのサーバ向けCPUでさえも購入したがらない」という。同氏が最初に設立した新興企業のVoxelは、Amazon Web Services(AWS)と同時期に“サービスとしてのインフラストラクチャー(infrastructure-as-a-service)”ビジネスの支援を開始した。

 Voxelは2011年に買収され、Smith氏は新たにPacketを設立した。Packetは、特に機械学習のような新興分野でさまざまなニーズや特殊な要望を持つ中小企業に焦点を当てる。

 Smith氏は、「自動車や家を所有したがらないミレニアル世代の台頭とともに、減価償却に1年半以上もかかるAI(人工知能)アクセラレーターを購入したくないと考える企業も増えた」と述べる。「ミレニアム世代が運営する企業が欲しがっているのは、民生機器のように、時とともにアップグレードされる“サービスとしてのチップ(chips-as-a-service)”だ」と同氏は言う。

 AWSやGoogleなどの大手パブリッククラウド企業の成功は、半導体企業の課題を浮き彫りにした。Smith氏は、「半導体企業の大半が研究開発費に投じた後、販売に課題を抱えている。従来のレファレンス設計やOEMチャネルは、パブリッククラウドプロバイダーやユーザーにとって、時間がかかり過ぎる上に柔軟性に欠けるからだ」と指摘する。

 EquinixやPacketなどのティア2データセンター事業者を含むクラウドサービスは、市場投入までの時間を短縮した新しい流通チャネルを構築している。「現在は、ハードウェアはソフトウェアと同じペースでは展開されていないが、そうする必要がある」とSmith氏は述べる。

 大手クラウド企業は既に、“サービスとしてのチップ”を開拓している。AWSは、FPGAやGPU、x86、独自のカスタムチップをベースとした多様なサービスの提供を増やしている。

 Packetは事業開始からこれまでの3年半で、DellやSamsung Electronics、ソフトバンクなどからベンチャーキャピタルで4000万米ドルを調達した。同社は現在、約800社の顧客企業向けに19のデータセンターを運営している。従業員はわずか100人ほどだが現時点ではまだ黒字化していないという。

【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】

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