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清華紫光集団がSMICのCEOを引き抜きか、DRAM強化で共同CEOのHaijun Zhao氏(1/2 ページ)

中国のほぼ全ての半導体資産を管理する国有持ち株会社Tsinghua Unigroup(清華紫光集団、以下Tsinghua)は、中国国内のDRAM業界を再構築すべく、SMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)の共同CEO(最高経営責任者)であるHaijun Zhao氏を引き抜く考えのようだ。

» 2019年04月04日 11時30分 公開
[Alan PattersonEE Times]

中国メモリメーカーの統合を目指す?

 中国のほぼ全ての半導体資産を管理する国有持ち株会社Tsinghua Unigroup(清華紫光集団、以下Tsinghua)は、中国国内のDRAM業界を再構築すべく、SMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)の共同CEO(最高経営責任者)であるHaijun Zhao氏を引き抜く考えのようだ。

 メディア報道や、EE Timesがインタビューを行った人々からの情報によると、Tsinghu Unigroupは、生き残りをかけて苦戦している中国の新興メモリメーカーを統合することによって、DRAMメーカーを新設し、その責任者として、SMICのZhao氏を引き抜きたいと考えているようだ。中国はこれまで、国内のメモリ市場を構築すべく、数十億米ドル規模の資金を投じてきたが、同分野で競争していく上で必要とされる主要なIP(Intellectual Property)をほとんど保有していないという状況にある。

 匿名を条件としてEE Timesのインタビューに応えた情報筋は、「SMICの経営幹部から直接得た情報によると、共同CEOであるZhao氏の突然の退社は、ほぼ確定的とみられる」と述べている。

 この情報筋だけでなく、中国国内の半導体業界に詳しいある人物も、同じく匿名を条件に、「同様の話を耳にしている。Tsinghua、大規模なプラットフォームを構築しているようだ。SMICがZhao氏に対して報酬を増額しない限り、同氏はSMICを去ることになるだろう」と述べている。

 メディアのレポートによると、Zhao氏のSMICでの年俸は、40万米ドルだという。もう1人の共同CEOであるMong Song Liang氏の年俸は、Zhao氏の半分程度だと報じられている。

 また、中国の情報筋によると、「SMICの共同CEOは、職務責任が明確に区別されていないという問題がある。Zhao氏とLiang氏は、バックグラウンドや経営スタイルが異なることから、あまり気が合わなかったとみられる」と述べている。中国のニュースサイトSinaも同様に、「共同CEOであるZhao氏とLiang氏は、個性や専門分野などの違いから、関係性が冷めてしまっていたようだ」とする記事を掲載している。

 Zhao氏は、中国政府との間で密接な関係を持っている。報道によると、TsinghuaのチェアマンであるWeiguo Zhao氏は、Haijun Zhao氏に対して、Tsinghuaが計画している中国でのDRAM事業を実現するよう説得したという。2人のZhao氏に血縁関係はないという。

SMICは報道を否定

 SMICは、Haijun Zhao氏が突然SMICを去るとの臆測が飛び交っていることを受け、「Haijun Zhao氏とLiang氏は、引き続き共同CEOを務める」とする声明を発表した。

 SMICのメディア広報担当者であるJenny Wu氏は、EE Timesとの電子メールのやりとりの中で、「当社としては、根拠のないうわさを広めたメディアや個人を非難する」と述べている。

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