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» 2019年04月11日 09時30分 公開

福田昭のストレージ通信(141) 半導体メモリの技術動向を総ざらい(4):次世代メモリの「理想と現実」 (2/2)

[福田昭,EE Times Japan]
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遅延時間が大きく異なるDRAMとNANDフラッシュメモリ

 コンピュータシステムを構成するメモリとストレージを、アクセスにおける遅延時間(レイテンシ)と関連付けて考えよう。さまざまなメモリとストレージの遅延時間は、1桁あるいは2桁の差で配置されていることが望ましい。遅延時間が短いメモリ/ストレージは記憶密度が低く、記憶容量当たりのコストが高い。遅延時間が長いメモリ/ストレージは記憶密度が高く、記憶容量当たりのコストが低い。

 最も遅延時間の短いメモリはプロセッサが内蔵するSRAMである。遅延時間は数ナノ秒と短い。次に来るのがプロセッサに外付けするDRAMである。遅延時間は数十ナノ秒とかなり短い。ここまでがメモリの領域である。

 その次に来るのは、NANDフラッシュメモリである。厳密にはNANDフラッシュメモリを内蔵するストレージ(SSDやUSBメモリなど)を指す。遅延時間は数百マイクロ秒と、一気に伸びる。DRAMとNANDフラッシュメモリで遅延時間のギャップは、4桁もある。

 このことがどのような意味を持つのか。システムがDRAMにアクセスしている状態から、NANDフラッシュメモリにアクセスする状態に切り替わった瞬間に、システムの性能が大幅に低下する。データを読み込むまでの待ち時間が、大幅に伸びるからだ。

コンピュータのメモリ/ストレージと遅延時間(レイテンシ)の関係。従来のシステム構成。出典:MKW Venture Consulting, LLC

次世代メモリがDRAMとNANDフラッシュメモリのギャップを埋める

 そこでDRAMよりも遅いがNANDフラッシュメモリよりも速いメモリ/ストレージを組み込むことで、システムの性能低下を防ぐ。あるいは総合性能を向上させる。次世代メモリの多くは、この領域を狙って開発されている。

コンピュータのメモリ/ストレージと遅延時間(レイテンシ)の関係。近い将来のシステム構成。出典:MKW Venture Consulting, LLC

 DRAMとNANDフラッシュメモリの間に存在する遅延時間のギャップを埋める方法は、次世代メモリとは限らない。現行世代のメモリ技術を改良することで、ギャップを埋めようとする試みも存在する。例えばDRAMとNANDフラッシュメモリを混載したメモリモジュール(DIMM)や、高速なNANDフラッシュメモリを内蔵するSSDなどである。次世代メモリは、こういったメモリ/ストレージと競争しなければならない。

(次回に続く)

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