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Huaweiの「P30 Pro」を分解、3層PCBを採用フラッシュセールは10秒で完売(1/2 ページ)

Huaweiは2019年4月12日(中国時間)、中国で最新スマートフォン「Huawei P30」と「Huawei P30 Pro」のフラッシュセールを実施したが、開始からわずか10秒で完売したという。Huawei P30/P30 Proの発売に伴って、さまざまな技術チームが分解レポートを最初に投稿しようと、先を争うように同製品の分解に取り掛かった。

» 2019年04月18日 11時30分 公開
[Junko YoshidaEE Times]

 Huaweiは2019年4月12日(中国時間)、中国で最新スマートフォン「Huawei P30」と「Huawei P30 Pro」のフラッシュセールを実施したが、開始からわずか10秒で完売したという。

 Huawei P30/P30 Proの発売に伴って、さまざまな技術チームが分解レポートを最初に投稿しようと、先を争うように同製品の分解に取り掛かった。

「Huawei P30 Pro」

 EE Timesは、Yole Développementのパートナー企業であるフランスのSystem Plus Consultingの技術的な見解をお伝えする。当誌は、同社のアナリストに、Huawei P30/P30 Proに対する所見や驚いた点について聞いた。

 コスト分析の専門家であるSystem Plus Consulting(以下、System Plus)のStephane Elisabeth氏は、「Huaweiは、バレルの長い望遠レンズを使用しなくても、ペリスコープ(潜望鏡)の画質が低下していないと主張している。そこで、P30 Proの分解では、10倍ズーム対応のペリスコープカメラを含む4眼カメラに特に焦点を当てた」と語った。

 Elisabeth氏は、「分解してみたところ、驚いた点がいくつかあった」と述べている。

AppleやSamsungに続き3層PCBを採用

 その1つ目は、HuaweiがP30 Proに3層PCB(プリント配線板)構成を採用したことだという。Appleは「iPhone X」で、スマートフォンベンダーとして初めて3層PCBを採用し、Samsung Electronicsがそれに続いていた。だが、System Plusは、Huaweiがこれほど早く追随するとは予想していなかったという。

 Huaweiは、台湾のPCBサプライヤーであるUnimicronのSLP(Substrate Like PCB)アセンブリを使用していることが分かった。iPhone Xの3層PCBは、オーストリアのプリント基板メーカーであるAT&Sが提供している。

 P30 ProとiPhone Xはどちらも、3層の類似したPCBアーキテクチャを採用しているが、積層方法が異なっている。

 Elisabeth氏は、「P30 ProのPCBでは、最下層にHuaweiの半導体部門であるHiSiliconが開発したアプリケーションプロセッサ『Kirin』とパワーマネジメントIC、パッシブデバイスが組み込まれている。RF部品は全て、最上層に集積されている。その間で、ミッドフレームPCBが上下層を接続し、絶縁層として機能している」と説明している。

 一方、AppleのiPhone Xは、最上層にメモリを、中間層にアプリケーションプロセッサを配置している。3層目は、熱を放散させるために何も集積されていない。

 System PlusのElisabeth氏は、「積層PCBアーキテクチャの進歩は重要である。これによって、非常に細い銅線を使ってSLPを開発できるようになったからだ。その結果、消費電力とレイテンシを悪化させることなく、省スペースで強力なPCBが誕生した」と述べている。

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