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» 2019年05月23日 11時30分 公開

この10年で起こったこと、次の10年で起こること(35):Galaxy S10 5Gを分解 ―― ケータイで流行した2層基板が再び登場した背景と今後 (1/3)

今回は、Samsung Electronicsの第5世代移動通信(5G)対応スマートフォン「Galaxy S10 5G」の内部などを紹介しながら、最近のハイエンドスマートフォンで主流になっている“基板の2階建て構造”(2層基板)を取り上げる。

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]
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 2019年4月、Samsung Electronicsから第5世代移動通信(5G)対応スマートフォン「Galaxy S10 5G」(以下、S10 5G)が発売された。2019年3月には5G対応ではないが「Galaxy S10/S10+」も発売されている。筆者が代表を務める研究解析調査会社テカナリエでは、これらGalaxy S10シリーズ全種を入手しすでに分解および、主要チップの開封を完了して、レポートを発行している。

 ほぼ同じ時期に発売されたS10とS10 5Gはネーミングや外観は似ているが、中身は全くの別物である。図1は2019年3月発売のS10(図左)と、4月に韓国で発売されたS10 5G(図右)それぞれの背面カバーと非接触充電用コイルユニットを取り外した様子である。2機種には通信方式が5G対応かどうかの差だけでなく、機能的にも大きな違いがある。例えば、図左のS10は3眼カメラだが、図右のS10 5Gは4眼カメラになっている。4眼はTOF(Time Of Flight)センサーが含まれる。

図1:「Galaxy S10」(右)と5G対応の「Galaxy S10 5G」の内部 (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 内部の形状も多く異なる。S10は従来世代(Galaxy S9)までとほぼ同じ内部配置であり、コの字型の基板が電池を取り囲むように構成されている。この基板形状はGalaxy S5以降、5年間の実績があるものだ。S10は“コの字基板”の第6世代ということになる。

 一方のS10 5Gは、コの字型の基板ではなく、四角い形状の基板が用いられている。実際には四角ではなくカメラユニットが配置される部分がくりぬかれた複雑な形状の基板だ。図1で説明すると、内部は上から基板(カメラを含む)、電池、端子(サブ基板を用い、マイクロフォンなどを配置)、スピーカーとなっている。端子はUSB Type-Cと3.5mmのヘッドフォン端子だ。

 S10 5Gは基本配置がこれまでのGalaxy Sシリーズと異なることから、S10とは別にイチから設計されたものと思われる。図2には過去4年のGalaxy Sシリーズの内部を掲載した。

図2:「Galaxy S7」から「Galaxy S10」までの内部推移 (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 S10は図2に掲載したように、Galaxy Sシリーズで伝統的ともいえるコの字型の基板で構成されているが、従来とは大きく異なっている点がある。従来左側に基盤が配置されており基板は逆コの字であったが、S10では基板と電池の位置が入れ替わり、正のコの字となっている。また従来は左上に配置されていたバイブレーターが右下へと大きく配置が変わっている。

 また過去4年だけでもカメラ周りに大きな変化が起こっている。S8までは単眼のカメラであったが、S9では2眼カメラに、S10では3眼カメラになり、カメラ部の体積は確実に増えている。しかし過去4年、カメラなどの進化はあったものの、内部の基本構造はキープコンセプトと言っていいだろう。S9とS10には左右の基本配置の入れ替わりなどがあるので、ここは大きな変化であるわけだが。しかしS10 5Gへの内部変化はさらに激しいものである。

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