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人とくるまのテクノロジー展2019 特集

EV向け、リアルなエンジン音の接近警報装置アルプスアルパイン、高付加価値の展示(1/2 ページ)

アルプスアルパインは、「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)で、モーターで走行する電気自動車(EV)やハイブリッド車向けの、リアルなエンジン音を再現した「車両接近警報(eSound)」や、高感度の静電検出技術を利用したソリューションを展示した。

» 2019年05月28日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 アルプスアルパインは、「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22〜24日、パシフィコ横浜)で、モーターで走行する電気自動車(EV)やハイブリッド車向けの、リアルなエンジン音を再現した「車両接近警報(eSound)」や、高感度の静電検出技術を利用したソリューションを展示した。

音作りのノウハウを活用

 「車両接近警報装置」とは、走行中の自動車が歩行者などに接近した際に、その接近を音で知らせる装置のこと。ハイブリッド車や電気自動車(EV)などは、モーター駆動のためエンジン音がせず、歩行者が気付かずに事故となる危険性が指摘されており、国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第168回会合で、車両接近警報装置の設置の国際基準が採択された。それを受け、日本でも新型車は2018年から、継続生産車の場合は2020年から、「ハイブリッド自動車等の車両接近通報装置」の義務化を定めている。

 今回展示されていたeSoundは、こうした法規制に準拠し、車両接近警報装置の警報音を、車種に合わせ、まるで本物のエンジン音のようなサウンドとして提供するシステムだ。

車両接近警報(eSound)のデモの様子。歩行者に近づくと、実際にeSound本体からエンジン音が再生された(クリックで拡大)

 エンジンサウンドをリアルタイムで生成するECUやアンプをコンパクトな筐体に内蔵したマルチスピーカーシステムで、バンパー内部への取り付けを想定しており、防水・防じんの保護規格IP6K9Kにも対応している。

 最大の特長は、そのサウンドだ。音響分野で多くの実績がある旧アルパインのサウンドデザインなどの技術によって、普通車やスポーツカー、SUVなど車種に合わせた最適で自然なエンジン音を生成し、忠実に再生することができるという。

eSoundの詳細(クリックで拡大)

 車種ごとのチューニングをサポートするツールも合わせて提供する予定だ。説明担当者は、「従来、例えば軽自動車とスポーツカーではエンジン音は全く違う。モーターで動く自動車のアイデンティティーを確立していく中で、こうしたサウンドは非常に重要な要素になる。当社の強みを生かして、あらゆる車種や環境に合わせた音作りで、価値を提供していく」と説明した。

 会場では、車両が歩行者のそばを走行するイメージに合わせてeSoundからエンジン音が再生されるデモが展示されていた。加速や減速に連動して、エンジン音の高低などが、まるで本物のように変化していった。

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