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» 2019年05月29日 10時30分 公開

RX23E-Aグループを開発:ルネサス、高精度AFEとマイコンを1チップに集積

ルネサス エレクトロニクスは、精度の高いアナログフロントエンド(AFE)部を内蔵した32ビットRXマイコンの第一弾として「RX23E-A」グループを発表した。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

温度調節計や力覚センサーなどに提案

RX23E-Aグループの回路イメージ 出典:ルネサス エレクトロニクス

 ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2019年5月28日、精度の高いアナログフロントエンド(AFE)部を内蔵した32ビットRXマイコンの第1弾として「RX23E-A」グループを開発、サンプル出荷を始めると発表した。高精度なセンサー計測とその後の演算処理やシステム制御あるいは通信機能をワンチップで実現する。

 工場では、製造品質や生産性を高めるため、製造工程/装置における温度や圧力、流量、ひずみなどさまざまな情報を収集している。これらのデータを処理し、その結果を基にシステムを適切に制御している。ここで重要となるのが計測データの精度である。

 ルネサスはこれまでも、オペアンプやA-Dコンバーターの機能を内蔵したマイコンを供給してきた。しかし、これまで同社マイコンに内蔵されたAFEは、測定レベルが100μVなど中精度の領域にとどまっていた。このため、高い精度が要求される温度調節計などの用途になると、同社製マイコンと別の高精度AFE製品を組み合わせて対応するしかなかったという。

 RX23E-Aグループは、1μVrmsの電圧レベルを測定できる高精度のAFE IPコアと、動作周波数が32MHzのRXv2コアなどを集積したマイコンである。ルネサスのフラッシュ混載プロセスをベースに、バイポーラトランジスタや抵抗など、新開発のアナログ専用素子を追加することで1チップ化を実現した。

RX23E-Aグループの回路ブロック (クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 AFE部には2個の24ビットΔΣ型A-Dコンバーターを内蔵。チャンネルを切り替えずにセンサーの温度補償が可能である。データ出力レートは7.6サンプル/秒から15.6kサンプル/秒まで柔軟に設定することができるという。

 PGA(Programmable Gain Amplifier)は、最大128倍まで増幅することが可能である。オフセットドリフトは10nV/℃、ゲインドリフトは1ppm/℃。RMSノイズは30nVrsmを、それぞれ達成した。この数値は、従来のAFE内蔵マイコンに比べると大幅に改善された。単体のAFE製品と比べても、同等かそれ以上のアナログ特性だという。この他、4ppm/℃という低い温度ドリフト特性を実現した基準電圧源、3線式測温抵抗体の測定に適したプログラマブル電流源などを内蔵した。

RX23E-Aグループの特長。上図は同社製の従来MCUと比べたノイズ特性とドリフト特性。下図は単体AFEとの特性比較 (クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス
評価用ボードの外観

 RX23E-Aグループは動作温度範囲として、−40〜85℃品と−40〜105℃品を用意した。パッケージは外形寸法が7×7mmの48端子QFPあるいは6×6mmの40端子QFNで供給する。RX23E-A搭載の評価用ボードも提供する。

 新製品は、熱電対や測温抵抗体を用いた温度調節計や記録計などの他、6軸力覚センサーによるロボットアーム制御などの用途に提案していく。さらに、高精度AFEを内蔵したRXマイコンの第2弾として、逐次比較型A-Dコンバーターや出力用D-Aコンバーターの機能などを内蔵した新製品を順次、開発する計画である。

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