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» 2019年07月09日 13時30分 公開

5G用スモールセル基地局向け:4波長多重光受信チップを5mm角以下で実現

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と光電子融合基盤技術研究所(PETRA)、沖電気工業(OKI)は、40Gビット/秒の光信号に対応する超小型4波長多重光受信チップを開発し、受信動作を実証した。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

合計40Gbpsの偏波無依存受信が可能

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と光電子融合基盤技術研究所(PETRA)、沖電気工業(OKI)は2019年7月、40Gビット/秒の光信号に対応する超小型4波長多重光受信チップを開発し、受信動作を実証したと発表した。

 5G(第5世代移動通信)ネットワーク構築には、小型スモールセル基地局を数多く設置する必要がある。これらのスモールセル基地局を接続するため、パッシブ光ネットワーク(PON)と呼ばれる方式が用いられる。

PON方式で接続されたスモールセル基地局のイメージ 出典:NEDO他

 NEDOとPETRA、OKIは、シリコンフォトニクス技術を用い、5Gネットワーク向け小型光トランシーバーの開発に取り組んできた。今回は、WDM/TDMアクセス「TWDM-PON」に用いられる光トランシーバー向けの光受信チップを開発した。

 このチップは、新たに開発した偏波分離回転素子や光波長フィルターとしてのアレイ導波路型回折格子(AWG)、ゲルマニウムフォトダイオードアレイといった光素子を集積している。これらの素子間を光導波路で接続することによって、素子サイズは4.85×3.39mmと5mm角以下に抑えた。個別部品を組み合わせて回路を構成していた従来モジュールに比べ、体積は100分の1以下と極めて小さい。

開発した超小型4波長多重光受信チップの外観と主な素子ブロック 出典:NEDO他

 また、波長多重化された光信号を2つの偏波成分に分離したあとで4つの波長成分に分離し、波長ごとに偏波成分を合波する光回路を開発。これにより、偏波無依存受信動作を実現した。

 開発したチップを光ファイバーコネクター付のプロトタイプモジュールに実装。ランダムな偏波状態の10Gビット/秒の光信号を、1本の光ファイバーで異なる波長に切り替えて入力することで、合計40Gビット/秒の偏波無依存受信が可能なことを確認した。

 研究グループは今後、光受信チップの感度をさらに高めるとともに、光送信機能も同一チップ上に集積していく予定。光学分析用微小センサーへの応用なども進める考えだ。

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