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» 2019年08月01日 11時30分 公開

WiTricity:「一度ワイヤレスになると元に戻れない」、EVも同じ (2/2)

[村尾麻悠子,EE Times Japan]
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急速充電は「主流にはならないのでは」

 岡田氏は、EVの給電において「さまざまな意見はあるが、DC急速充電はそこまで主流にはならないと考えている」と述べる。懸念点の一つは、必要になる電力だ。「350kWでの充電が可能になる技術も出てきているが、例えばそれが4基並ぶ充電ステーションでは、1都市をまかなえるくらいの電力が必要になってくる」(同氏)

 岡田氏は、「これからEVのコストが下がれば、EVを購入した方が安くなる時期が必ず来る。そうなると、タクシーのEV化が進んだり、1人乗りのEVが登場したりするなど、クルマ自体が変わっていくだろう。いずれEVのフリートが実現すれば、プラグによる急速充電は現実的に考えて最適な充電方法ではなくなるだろう。やはりワイヤレス充電が便利なのではないか」と語る。

 トラックのEV化については、「最大の課題はバッテリー」(同氏)だという。バッテリーの重量を減らせば、トラックの重量削減につながる。だが、そうするとバッテリーの容量はどうしても小さくなる。そこで注目されているのが、走りながら充電できるダイナミックチャージングだ。2030年の実現を目指して開発が進んでいる。

 岡田氏は「PCなどの民生機器でもそうだが、いったんワイヤレスになると、もう有線の世界に戻るのは難しい。クルマでも、同様なのではないか」と強調した。

1500米ドルの価格帯を目指す

 なお、EV向けワイヤレス充電のコストについては、既存の急速充電に比べて「開発段階であり量産化ができていないので、今はまだ高い」と岡田氏は述べる。「充電用の電気回路自体は量産すればコストは下がっていくので、コスト面での制約が出てくるとすればコイルのところだろう。フェライトなどの部材を使う関係で、一定以上はコストを削減できないというのは、あるかと思う。具体的な価格を提示するのは難しいが、現在、7kWクラスのレベル2の急速充電用チャージャーの価格が500〜1500米ドルなので、ワイヤレス充電でも1500米ドルくらいまで下げられたら、と考えている」(同氏)

 岡田氏は、「ダイナミックチャージングは、さらにその先の技術であり、ここもコストについて言及するのは難しい。ただ、例えば高速道路に採用する場合、ある車線全てに導入するのではなく、登坂車線がある一区間のみといったように、導入する区間を限定的にするだけでもコストメリットは得られるのではないか」と続けた。

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