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» 2019年08月08日 11時30分 公開

製品分解で探るアジアの新トレンド(41):中国製TVは「シンプルの極み」、その利点とは (1/3)

今回は、中国Hisense製TVの分解を紹介したい。このTV、作りが実にシンプルである。日本製とは、ほぼ対極となるこのシンプルさが持つ利点は多い。

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]
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 今回報告するのは、中国Hisenseの55型4K有機ELTV、「55E8000」の分解である。日本では2019年4月に発売された製品だ。Hisenseは2018年に東芝のTV事業を買収*)したメーカーである。買収以降では初めての大型TV製品となる。

*)東芝映像ソリューションの発行済株式の95%がHisenseに譲渡された。

 このTVでは、東芝製の高解像度プロセッサ「REGZA Engine NEO」が採用されていることが明らかになっている(チップ開封によって内部シリコンはソシオネクト社製であることも確認している)。また、アンドロイドTV処理には台湾MediaTekのプロセッサが活用されている。

 55E8000の内部は東芝色が強く、多くの日本製半導体が採用されている。ソニーのチューナーチップ、ロームのアナログチップ、電源系では富士電機、オムロンなどが使われている。ただ、今後Hisense色が高まっていくと半導体のサプライチェーンなども変わっていく可能性は高い。

 図1はE8000の梱包箱、TV本体の裏側および裏側の処理部を取り出した様子である。梱包箱の内部には台座となるスタンド、リモコンが付属される。処理部は完全に一体化したユニットになっている(図1右上)。

図1:Hisenseの4K有機EL TV「55E8000」 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 弊社は数多くの大型TVを分解しているが、処理部がこれほどコンパクトにまとまったTVは初めてであった。処理部は図1右上のように、左からTV処理基板(DTV基板)、ディスプレイのタイミングをコントロールするTCON基板、電源基板となっている。おのおのは完全な横並びになっていて、ほぼ隙間はない。

 TV基板の脇には小さなWi-Fi通信用基板が備わっている。TV基板から外部の各種端子、HDMIやUSBが接続され、電源基板側からAC電源が供給される構造だ。

 こうしたコンパクトなユニット構造でTVの処理部をまとめておくと、パネルを変えるだけで他製品にも利用できるものと思われる。また分解も処理部のカバーパネルを外すだけなので、非常に容易であった。

 TV用基板には温度対策のヒートシンク、TCON基板には信号干渉対策の金属シールドが施されているが、どちらもねじ止めなので簡単に取り外すことができる。

 分解では通常、配線の取り外しを行い、基板を取り外していく。後述する他メーカーの大型TVに比べてコンパクトかつ簡素な構造であることから、E8000はおおよそ半分の時間で分解を行うことができた。

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