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パワー半導体メーカーの19年売上高は7.6%増へ富士経済が調査結果を公表

富士経済は2019年9月13日、世界の主要パワー半導体関連企業の売上高や事業状況についての調査結果を発表した。それによると、2019年の世界の主要パワー半導体メーカー36社のパワー半導体関連事業売上高は、2018年比7.6%増の2兆219億円に達するという。

» 2019年09月18日 09時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 富士経済は2019年9月13日、世界の主要パワー半導体関連企業の売上高や事業状況についての調査結果を発表した。それによると、2019年の世界の主要パワー半導体メーカー36社のパワー半導体関連事業売上高は、2018年比7.6%増の2兆219億円に達するという。

 パワー半導体需要について富士経済は「自動車メーカー各社が電動化や自動運転技術の開発を加速させていることから、自動車、電装分野向けでパワー半導体の需要が高まっている。また、電力損失低減を図るため情報通信機器分野や電鉄車両分野などでも需要増加が期待されている」と拡大基調にあると示唆。その結果、2019年の主要パワー半導体メーカーの売上高は前年比7.6%伸長すると予想した。

主要パワー半導体メーカー売上高の地域別構成比 出典:富士経済

 また同社は、パワー半導体メーカーを欧米系、日系、中国・アジア系と地域別に分けた調査も実施。最も売り上げ規模が大きかったのは欧米系で、2019年の売り上げ見込みは1兆1693億円(前年比8.8%増)を予想。「欧米系は、Si(シリコン)、SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)の各半導体メーカーが多く、自動車、電装分野に注力した展開を進めている。中国の自動車メーカーに供給するケースもみられ、今後も継続した需要が期待される」と分析する。

 日系については、欧米系に次ぐ売り上げ規模で、2019年売り上げ見込みは6617億円(同6.4%増)とした。日系も欧米系同様に、自動車、電装分野への注力度が増し、需要増が期待できるとしている。

主要パワー半導体メーカー36社のパワー半導体関連事業売上高
地域名 2018年 2019年見込み 2018年比
欧米系 1兆750億円 1兆1693億円 108.8%
日系 6217億円 6617億円 106.4%
中国・アジア系 1819億円 1909億円 104.9%
合計 1兆8785億円 2兆219億円 107.6%
※市場データは四捨五入している。 出典:富士経済

次世代、次々世代は、欧米系が先行

 パワー半導体種別動向としては、注目を集めるSiC、GaNを用いた次世代パワー半導体や酸化ガリウム系材料を用いた次々世代パワー半導体は「市場はまだ小さいものの、欧米系が先行し、市場の7割以上を占めている。日系が残りの3割弱を占めている」(富士経済)とした。パワーモジュールについては、日系、欧米系の占める割合が高いとした上で「日系は自動車、電装分野などで実績を伸ばしている」(富士経済)とした。ディスクリートについては、欧米系が市場の6割以上を占めるが「中国では自社でウエハー製造から組み立てまでを行うメーカーが増えており、今後は中国・アジア系の構成比が高まるとみられる」と予想している。

 なお、調査結果の詳細は、「2019年版 パワーデバイス関連ビジネス企業戦略総調査」としてまとめ、販売している。

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