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» 2019年09月18日 15時30分 公開

DC-DCの電流モード制御を応用:LDOで“コンデンサー不要”に、ロームの「NanoCap」 (1/2)

ロームは、出力コンデンサーを使わなくても電源ICを安定動作させる技術「Nano Cap」を開発した。まずはリニアレギュレーター(LDO)に適応する「Nano Cap LDO」として商品化を目指している。

[村尾麻悠子,EE Times Japan]

1μF未満の小型コンデンサーが使える

 ロームは、出力コンデンサーを使わなくても電源ICを安定動作させる技術「Nano Cap」を開発した。まずはリニアレギュレーター(LDO)に適応する「Nano Cap LDO」として商品化を目指している。

 ロームがNano Capを開発した背景には、世界的なコンデンサー不足がある。産業機器や民生機器だけでなく、電動化が進む自動車にも大量のコンデンサーが使われるようになっている。特に電気自動車(EV)では1台当たり1万個ものコンデンサーが必要になるともいわれる。そのため、電子機器の回路では、コンデンサーを含め部品点数の削減が急務になっている。

 電源ICも例外ではない。特に電源ICでは、部品点数の削減や小型化に加え、高信頼性という意味でも、コンデンサーを削減することが求められているとロームは述べる。コンデンサーが、開放モードという故障に至ると、電源ICの電圧が低下しリセットがかかってしまう。コンデンサーを取り除くことでこうした故障に対する懸念を払拭できるとロームは考えている。

 Nano Cap LDOには、LDOの出力コンデンサーを削減する“ソリューション1”と、LDOの出力コンデンサーおよびマイコンの入力コンデンサーの両方を削減する“ソリューション2”という2種類がある。ロームは、「ソリューション1は、LDOの出力コンデンサーがなくても従来通りの動作特性を実現する『特性重視型』。ソリューション2は、ある程度の電圧変動を抑えつつ、コンデンサー周りの懸念を払拭し、より安心、安全に重きを置いた『安心・安全型』」と説明する。

LDOの出力コンデンサーとマイコンの入力コンデンサーを削減する「Nano Cap LDO」 出典:ローム(クリックで拡大)

 ロームは「われわれとしては、コンデンサー不足という状況を見ても、究極的にはコンデンサーを2つとも取り除いてしまうというのがベストだと考えている。ただ、コンデンサーを使う設計が何十年も続いてきた中で、“コンデンサーを使わない”ことに抵抗感や不安を感じる開発者もいるだろう。そこで、コンデンサーレスに至るまでに、ソリューション1という段階を挟むことにした」と説明する。

 実は、小容量の小型コンデンサーで動作するLDOやコンデンサーなしで動作するLDOは、どちらも既に市場に存在する。だが、出力電圧の変動量が大きく、「出力電圧の±5%以内」という電源ICの一般的な要求を満たしていないので、電源として使えないというのが現状だ。

コンデンサーレスで動作するLDOは市場に投入されているが、出力電圧の変動量が大き過ぎる。図版左「マイコン入力コンデンサのみ動作対応品」は負荷が50mA、出力電圧が5Vのときの変動量。同右「コンデンサなし動作対応品」は負荷が10mA、出力電圧が3Vのときの変動量である 出典:ローム(クリックで拡大)
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