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» 2019年10月02日 11時30分 公開

RAMSAの「試聴室」も公開:技術の集大成で東京五輪に挑むパナのRAMSA (1/2)

過去11回にわたってオリンピック会場で採用されてきたプロ用音響システム「RAMSA」が2019年、誕生から40周年を迎えた。パナソニック コネクテッドソリューションズ(CNS)社は2019年9月、福岡市にある福岡事業場で、新たに導入した音響空間制御シミュレーションツール「PASD(Panasonic Acoustic Simulation Designer)」の説明などを行った。同社はこのPASDを含め、東京オリンピック・パラリンピック競技大会での採用に向けてRAMSAを提案していく方針だ。

[永山準,EE Times Japan]

 過去11回にわたってオリンピック会場で採用されてきたプロ用音響システム「RAMSA」が2019年、誕生から40周年を迎えた。パナソニック コネクテッドソリューションズ(CNS)社は2019年9月、福岡市にある福岡事業場で、新たに導入した音響空間制御シミュレーションツール「PASD(Panasonic Acoustic Simulation Designer)」の説明などを行った。同社はこのPASDを含め、東京オリンピック・パラリンピック競技大会での採用に向けてRAMSAを提案していく方針だ。

RAMSAのラインアレイスピーカー(クリックで拡大)

RAMSAの歴史

 RAMSAは、劇場やコンサートホール、イベント会場向けの音響設備提供の取り組みで、「先進的なミュージックサウンドと音響機器の探求」(Research of Advanced Music Sound and Acostic)を意味する。

 松下電器産業時代の1979年にミキシングコンソールや各種スピーカーなど一挙に22機種を発売したのが始まりで、同年8月、神奈川県江の島で行われたロックフェス「Japan Jam」でデビューを果たした。その後1989年までの10年間は、国内のイベント、コンサート等で広く展開。「この10年でアナログの基本的音響技術は確立できた」という。

 RAMSAは、1998年の長野冬季五輪で採用されたのを皮切りに、シドニー、ソルトレーク、アテネ、トリノ、北京、バンクーバー、ロンドン、ソチ、リオデジャネイロ、そして平昌まで、計11の五輪会場で採用され続けてきた。

RAMSA 五輪の取り組み(クリックで拡大)

 1990年代に入ると米国、欧州、アジアなどグローバル展開を進めると同時にデジタル化や大規模システムにも対応。1999年以降は、ラインアレイスピーカーの採用や、サンプリングレートを上げることによる高品位化、光伝送の採用などによって進化を続けてきた。そして2016年、音響調整の進化、システムの統合化に取り組みながら、これまで培ってきたノウハウを集結した、現行の「第3世代ラインアレイスピーカー」の開発に着手。2018年には平昌五輪も採用されている。

RAMSA 40年の歩み(クリックで拡大)

 RAMSAが目指すのは、「ステージとオーディエンスの距離を縮め一体感をもたらす音の提供」だ。この実現のためにはアーティストの表現する原音に忠実な音がそのまま観客に届き、そして観客の歓声などもまたアーティストに確かに届く音響システムが必要であり、音響システムを運用するPAオペレーターや音響システムを構築するサウンドデザイナーによる「空間のコントロール」が重要になる。

 「空間のコントロール」において、同社はRAMSAの歴史の中で培ってきたノイズに強いアナログ回路設計技術や、理想的な線音源を実現するスピーカー指向性制御技術を強みとしている。そして、これをさらに進化させるのが、周波数特性をFIRフィルターで補正し音質を高める技術だといい、同社のメディアエンターテインメント事業部テクノロジーセンター商品設計部商品設計六課長の松本泉氏は、「五輪を含めた数々の納入実績から蓄積してきたノウハウ、技術の集大成として打ち出していく」としている。

技術開発の取り組み(クリックで拡大)
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