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» 2019年10月15日 11時30分 公開

福田昭のデバイス通信(206) 2019年度版実装技術ロードマップ(17):携帯機器の放熱技術と放熱部品 (1/2)

今回は、ロードマップ第2章第5節「サーマルマネジメント」から、「携帯機器における放熱技術と材料の動向」の概要を取り上げる。

[福田昭,EE Times Japan]

電子機器の主な放熱技術

 電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第17回である。

 前々回から、ロードマップ本体の第2章第5節に当たる「新技術・新材料・新市場」の概要を紹介している。「新技術・新材料・新市場」では、「サーマルマネジメント(熱管理)」と「マイクロLED」、それから「5G携帯電話システム」の3つのテーマを扱う。

2019年6月4日に東京で開催された「2019年度版 実装技術ロードマップ」完成報告会のプログラム。前回から第2章「注目される市場と企業群」の第5節「新技術・新材料・新市場」(プログラムの6番)を説明している。出典:JEITA(クリックで拡大)

 さらに「サーマルマネジメント(熱管理)」は、「サーマルマネジメント技術」と「パワーモジュールの放熱」「携帯機器の放熱」の3つのパートに分かれている。前々回は最初のパートである、「サーマルマネジメント技術」、具体的には自動車用電子製品の放熱技術を、前回は2番目のパートである、「パワーモジュールにおける放熱技術と材料の動向」をご説明した。今回は3番目のパートである、「携帯機器における放熱技術と材料の動向」の概要をご紹介する。

第2章第5節「新技術・新材料・新市場」の目次。出典:JEITA(クリックで拡大)

 電子機器の放熱技術には大別すると、空冷(空気冷却)と液冷(液体冷却)がある。さらに空冷は、自然空冷と強制空冷に分かれる。発熱密度(容積当たりの消費電力)が低いときは自然空冷を使う。自然空冷は電子機器の筐体内外における大気の自然対流や熱の伝導などを利用して熱を逃がす。

 発熱密度がある程度以上に高くなると、強制空冷が必要となる。強制空冷では大気に風を起こすことで対流を促し、放熱能力を向上させる。強制空冷では風を起こすための機械部品(ファンやブロアなど)を必要とする。

 発熱密度がさらに高い電子機器では、液冷を採用する。液冷では、熱伝導率の高い液体を循環させることによって高い効率で熱を逃がす。代表的な冷却用液体は水である。

民生用電子機器の発熱密度は20年前に比べて増大

 主な民生用電子機器の容積と消費電力の関係をグラフにプロットすると、自然空冷によって放熱が可能な範囲でおおむね直線状になる。つまり、発熱密度は容積が小さな機器と容積が大きな機器であまり変わらない。言い換えると、容積が電子機器の消費電力を制限している。

 全体の傾向としては20年前に比べると、同じ容積でも消費電力が増大した。特にノートPCでは消費電力が自然空冷の限界ラインを超え、ファンによる強制空冷を採用するようになっている。

主な民生用電子機器の容積と消費電力の関係。出典:JEITA(クリックで拡大)
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