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» 2019年11月11日 13時30分 公開

半導体投資はPhaseIIに移行:中国、289億米ドル規模新ファンドで半導体の自給自足へ (2/2)

[Luffy Liu,EE Times]
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Phase IIの参画メンバーは?

 National Big Fund Phase IIは、2019年10月22日に正式に法人化された。最大株主の中国財政部が、225億元(31億8000万米ドル)を投じている他、各地方政府も資金を提供している。

 株主には中国の財政部やShanghai Guosheng Group、China National Tobacco(中国煙草)、China Telecomなどの他、さまざまな中国投資ファンドが名を連ねる。

 Phase IIの株主の資金源は、Phase Iと比べて非常に幅広い。中国内のさまざまな半導体メーカーや、長江経済ベルト(Yangtze River Economic Belt)も積極的に参加している。さらに、China National Tobacco や3社の大手通信事業者の他、半導体業界や戦略的新産業での企業合併、買収を手掛ける資産管理会社「JianGuang Asset Management」なども参画メンバーである。

 合計株主数が27社と多いことからPhase IIの株式保有比率は、比較的分散している。例えば、最大株主である中国の財政部が11.02%、220億元(31億米ドル)を出資するGuokai Financeが10.78%を占める他、重慶市の「戦略的新産業エクイティ投資ファンドパートナーシップ」やChina National Tobacco の他、6社の株主が150億元(21億米ドル)ずつ提供し、それぞれが全体の7.35%を占めている。

 地方政府の資金を個別に扱っていたPhase Iと異なり、Phase IIでは、中国半導体業界において統合され成熟している地域を含む、中国内の投資ファンドが統合している。

 最も突出しているのは、長江経済ベルトだ。東部から西部に至るまで、上海や江蘇、浙江、安徽、湖北、重慶、四川などのさまざまな地域のファンドが資金を提供しその総額は1022億元(144億6000万米ドル)に達する。さらに、北京や福健、広東(深センを含む)などの他の地域も、積極的に参加している。

Phase Iでは何が行われた?

 Phase Iでは、1387億2000万元(196億3000万米ドル)の資金が調達された。これは、中国において1度で集まった産業投資資金としては過去最大規模となった。当初は1200億元(169億8000万米ドル)と予測されていたことから、それを15.6%も上回る結果となった。

 Phase Iは2018年8月末までに、77件のプロジェクトと55社の半導体メーカーに資金を提供した。半導体業界や戦略的プロジェクト、主要な製品分野など、ありとあらゆる分野が投資対象とされ、2018年末までに全ての投資案件が完了した。2019年には、投資後の管理段階へと移行している。

 ある投資家は、広く知られる国際的な半導体合併、買収プロジェクトに参加した経験から、「Big Fundは特に、チップ製造における長期的資金が不足しているという、中国の半導体業界の重要な問題を解決することができると確信している」としている。

 Huaxin Investmentによると、2014〜2017年における中国の半導体製造業界の設備投資額は、2010〜2013年と比べて2倍に増大しているという。

 Big Fundは、国家の戦略的需要と市場メカニズムのバランスを取ることができる。中国の証券会社Tianfeng Securitiesは、「Big Fundは産業チェーン全体の主要株主として、アップストリーム企業とダウンストリーム企業の協業関係構築を促進することが可能だ」と主張する。こうしたシナジー構築の取り組みの中には、科学技術分野の国家プロジェクトや、IC製造をサポートする特別な設備投資が含まれている。

 Huaxin Investmentは、「Big Fundによる投資が、社会資本投資と業界の信頼を高める上で重要な役割を果たした」と述べている。投資先の見方をすると、サブファンドを含むPhase Iでは、約5000億元(707億4000万米ドル)の新しい社会融資(エクイティファイナンス、社債、銀行、信託、その他の金融機関ローンを含む)を促進した形になっている。

 Phase IIは、Phase Iとは少し異なる目標設定を行っているようだ。Big Fundの社長、Ding Wenwe氏は、「IC産業サプライチェーンを構築するには、国内の機器や素材のユーザーと各リンクを有機的に統合する必要がある。そうして初めて独立性を達成し、サプライチェーンを制御可能とすることができる」と述べている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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