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» 2019年11月13日 11時30分 公開

この10年で起こったこと、次の10年で起こること(40):AirPods Pro、Galaxy Fold、Pixel4…… 2019年下半期の話題製品を一挙解剖 (2/4)

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]

メーカーごとに傾向が分かれるワイヤレスイヤフォンの中身

 図3はApple AirPods Proの対抗製品である。BOSEとソニーのアクティブノイズキャンセル機能付きヘッドフォン。弊社ではこれら以外にも密閉型のヘッドフォンなども分解しているが、密閉型は大きさに余裕があるため実装技術的には、さほど目を見張るものはない。

図3:Bose「QuietControl 30」とソニー「WF-1000XM3」 (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 アクティブノイズキャンセル機能付きのフルワイヤレスイヤフォンは2019年に一気に知名度とともに市場が開花した製品である。マイクロフォンで周囲の音を拾い、逆相の音でノイズを打ち消す(実は昔からある技術で車のエンジン音を打ち消すなどにも使われている)処理を行っている。キーになるのはマイクロフォンと逆相演算。マイクロフォンは1つでもいいが、複数個を用いる場合もある(複数のマイクロフォンの音を同時に演算するマイクロフォンアレーチップはスマートスピーカーや電話会議システムでも常用されている)

 BOSEの「QuietControl 30」は片耳に4個のマイクロフォンを備えている。コンデンサーマイクロフォン2基とMEMSマイクロフォン2基の計4基だ。それぞれのマイクロフォンは微妙に向きが異なっているので、指向性も考えて周囲の音声を収集しているのだろう。一方でソニーの「WF-1000XM3」は、マイクロフォンは2基で、コンデンサーマイクロフォンを使用している。

 このようにフルワイヤレスヘッドフォン/イヤフォンは、内部構造や採用するチップはまちまちだ。チップの点数もメーカーによって大きな違いがある。ただ、いくつもの製品を分解していると、メーカーごとにいくつかの傾向があることが分かってきた。

 例えば、2枚の基板にチップを並べて、電池を取り囲むように配置するのは、ソニー(図3右のソニーには2枚の基板があるのは2枚で電池を挟むため分離)とSamsung Electronics。両社の構造は非常に似ている。

 Appleに似た構造はApple傘下のBeatsが採用している。またHuaweiらは異なる構造(中国では激安製品も含めてAppleやソニーらとは異なる)だ。

 アクティブノイズキャンセルも含めて、ワイヤレスヘッドフォン/イヤフォンは成長分野の1つになっている。今や多くのメーカーが新しいヘッドフォン、イヤフォンを発売しているからだ。上記は新市場形成のための“元年製品”として今後の進化のベースになると思われる。

【訂正】初出時、本文中および、図3において「WF-1000XM3」のマイクロフォン搭載数を「1基」としましたが、正しくは「2基」です。お詫びして訂正します。(2019年11月14日午前8時21分)

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