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ET & IoT Technology 2019 特集

貼り付けて使える、2.5mm角の半導体ひずみセンサーグローセルの「STREAL」

グローセル(旧ルネサスイーストン)は「ET&IoT Technology 2019」(2019年11月20〜22日、パシフィコ横浜)で、自社ブランドとして展開する、2.5mm角と超小型の半導体ひずみセンサー「STREAL(ストリアル)」を展示した。

» 2019年11月27日 16時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

 グローセル(旧ルネサスイーストン)は「ET&IoT Technology 2019」(2019年11月20〜22日、パシフィコ横浜)で、自社ブランドとして展開する半導体ひずみセンサー「STREAL(ストリアル)」を展示した。

 STREALは、センサー素子と、A-Dコンバーターやアンプといった周辺回路を、わずか2.5mm角のチップに集積したもの。計測精度は1με(マイクロストレイン)、つまり1kmの物体が1mm伸び縮みするひずみ量を計測できる。グローセルは、この半導体ひずみセンサーを、さまざまな機器や機材に貼り付けられるようモジュール化し、それをET展で展示した。

半導体ひずみセンサー「STREAL」。これは、貼り付けやすいようにモジュール化したもので、画像右側の先端部分に2.5mm角のチップが搭載されている(クリックで拡大)

 グローセルによれば、ひずみの計測精度は既存のシステムと同等レベルだが、STREALの最大の強みはそのサイズだという。

 既存の標準的なひずみ計測システムでは、ひずみゲージを使うのが一般的だ。このシステムだと、ひずみゲージの抵抗値の変化を読み取るための電流計測装置が必要になり、大型になってしまう場合がある。1チップで済むSTREALはかなり小型になる上に、「モジュールを貼り付ければよいだけ」など、現状の製品を大きく変えなくても、ひずみを計測できる機能を追加できることがメリットだと、グローセルは説明する。さらに、標準的な消費電力も、既存システムに比べて約10分の1に低減できるという。

既存のシステムとの大きさの比較(クリックで拡大)
STREALを使ったデモ(左)。定規のような金属板の上に磁力の弱い小型磁石を置き、磁力によって金属板がどのくらい引っ張られたかを計測していた(右) (クリックで拡大)
左=STREALを使った別のデモ。パイプにSTREALを貼り付けておくと、バルブを開閉したときにパイプに生じるわずかなひずみを検出することができる/右=それを応用し、バルブ開閉のモニタリングシステムを展示していた(クリックで拡大)

 この他にも、ハンドリフトのツメの部分の裏側にSTREALを貼り付け、荷物の重さでどのくらいツメが曲がったかを検出するデモも展示していた。ハンドリフトを、より安全に使うためのシステムに応用できるという。

 グローセルは、STREALの応用分野としてインフラ、産業(工場に設置した機械や装置など)、医療、民生機器、セキュリティなどを挙げる。中でも、インフラと産業の市場が有力だと見ている。

 STREAは、今回のET展で展示したモジュールタイプについては、2019年12月末の販売開始を予定している。サンプル単価は3万円。量産価格は要問い合わせ。

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