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ET & IoT Technology 2019 特集
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» 2019年12月09日 09時30分 公開

ET&IoT Technology 2019:学習も推論もできるエッジAI「KAIBER engram」実演

ディープインサイトは「ET&IoT Technology 2019」(2019年11月20〜22日、パシフィコ横浜)で、学習と推論の両方に対応可能な、組み込み型エッジAI「KAIBER engram(カイバー エングラム)」のデモを公開した。

[永山準,EE Times Japan]

 ディープインサイトは「ET&IoT Technology 2019」(2019年11月20〜22日、パシフィコ横浜)で、学習と推論の両方に対応可能な、組み込み型エッジAI「KAIBER engram(カイバー エングラム)」のデモを公開した。

協業パートナーの製品を用いたデモを実施

 KAIBER engramは、深層学習もIoT(モノのインターネット)端末側で行えるようにした組み込み型エッジAIで、同社が2019年11月18日から提供を開始したものだ。同社は第一弾としてAdvantech(アドバンテック)日本法人と協業し、IoTプラットフォーム「WISE-PaaS」対応の製品にKAIBER engramを搭載したエッジAI解析ソリューションを提供している。この日は、実際にアドバンテックのエッジコンピューティングデバイスを利用したデモンストレーションを紹介していた。

展示されたデモの様子。右下がアドバンテックのエッジコンピューティングデバイスで、左下の模型に取り付けられたモーターの振動を加速度センサーで計測し、KAIBER engramで処理していた(クリックで拡大)

 KAIBER engramは、ディープインサイトが全てのコードを自社開発しており、Windowsや組み込みLinux、リアルタイムOS(RTOS)など多様な環境に対応可能なほか、GPUを搭載していないIoT機器などでも、リアルタイムに学習することができるという。実際にデモでは、デバイスに搭載されたIntelの「Core i5」上で動作をさせていた。ディープインサイトの代表取締役社長を務める久保田良則氏は、「高価なGPUを使わずとも高速に学習できるのがポイントの一つ。今回利用したものよりさらにローエンドのCPUでも対応可能だ」と説明していた。

 デモでは、回転するモーターの振動を加速度センサーで計測し、そのデータをKAIBER engram上で学習しながら、推論によって予測値を示すという様子が紹介された。モーターの回転を障害物によって意図的に乱すと振動のデータが乱れ、予測値と解離した場合には「異常度」の数値が上がる様子が確認できた。久保田氏は、「実際の現場で応用する場合には、異常のパターンが少しずつ出てくるような形になると思うが、例えばそれが何秒か続けばアラートを出し、機械の動作を制御する、などの使い方になるだろう」と説明する。

最上部はアドバンテックのソフト上のセンサーからの入力データ。このデータをKAIBER engramが再度取り込み、学習している形になっている。真ん中の「Actual Input/Inference」の枠内では、濃い赤と緑の線が入力値で、薄い赤と緑の線がKAIBER engramの予測値だ。入力値と予測値の隔たりによって、その下の「Similarity」と「Degree of Abnormality」の値が上昇した(クリックで拡大)

 事前設計した推論機能を機器に搭載した場合、設置場所や周辺の環境による振動パターンの違いや、利用頻度の違いなどによる固有の経年劣化によって精度のブレが生じた際に、データを再度収集し再学習する必要がある。久保田氏は、「KAIBER engramによって、現場で収集したデータは全て端末内でリアルタイムで処理でき、自律学習が可能だ」と説明。これによって、通信などのコスト削減のほか、高いセキュリティ性も実現できるとしている。

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