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「6つのメガトレンド」で成長を目指すMicrochip、セキュリティでは20年の知見を生かした製品もMicrochip Technology プレジデント兼COO Ganesh Moorthy氏

マイコンからアナログ、センサー、無線、セキュリティ技術まで、幅広い製品を手掛けるMicrochip Technology(以下、Microchip)。同社はエレクトロニクス業界の「6つのメガトレンド」を柱に、さらなる成長を目指す。セキュリティ分野では、20年以上にわたり蓄積したノウハウを基に開発したソリューションを提供するなど、ユニークな製品の展開を加速していく。

» 2020年01月15日 10時00分 公開
[PR/EE Times Japan]
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2019年は厳しい1年、2020年は楽観視できる部分も

――2019年の業績はいかがでしたか。

Ganesh Moorthy氏 Microchipにとって厳しい1年となった。米中貿易摩擦によって経済やビジネス状況が不透明であり、多くのエンドマーケットにおいて需要が縮小したからだ。2019年11月に、2020会計年度第2四半期(2019年7〜9月)の業績を発表したが、連結売上高が13億3800万米ドルで、前四半期比で1.1%増、前年同期比では6.6%の減少となった。

――2020年のビジネスにおける見通しについて教えてください。戦略の鍵となるのは何でしょうか。

Moorthy氏 引き続き経済が不透明であり、慎重な見方を崩すつもりはないが、われわれの販売チャネルのパートナー各社が保有している在庫が縮小していることや、貿易摩擦の緩和といった要素から、楽観視もしている。

 2020年、当社における鍵となるのは、イノベーティブな新しいソリューションの開発、卓越した技術サポート、顧客の成長をサポートするために必要な資金の増強だ。これら3つに投資していく。

――半導体およびエレクトロニクス業界における見通しはいかがですか。Microchipの成長を後押しする技術トレンドは何でしょうか。

Moorthy氏 2020年の市況については慎重に様子を見るが、楽観的に見ている。Microchipは、2020年およびそれ以降の数年間の成長を支える柱として、6つのメガトレンドに注目している。5G(第5世代移動通信)、IoT(モノのインターネット)、データセンター、電気自動車、ADAS(先進運転支援システム)および自動運転車、AI(人工知能)/機械学習だ。

IoT機器のセキュリティ実装を容易に

――それらのメガトレンドを見据えた、Microchipならではの製品には、どんな物がありますか。

Moorthy氏 2019年に、幾つか特徴的な製品を発表した。

 例えばIoT分野向けに、2019年10月に発表した「Trust Platform」は、われわれの強みがよく表れている製品だ。これは、セキュアな鍵ストレージを提供するプロビジョニング済みのソリューションで、量産の規模に関わらず、ハードウェアベースのセキュリティを簡単に実装できるようにしたものだ。当社のセキュアエレメントに秘密鍵を格納し、クラウドに接続するための秘密鍵付き証明書も取得して、マニフェストファイルで提供する。これまで、このようなサービスを受けられるのは、大量発注できる大手企業に限られていた。Trust Platformでは最小で10個から対応可能なので、IoT機器を開発する中小企業も、ハードウェアベースのセキュリティを実装するハードルが格段に低くなる。少量から大量まで対応できるプロビジョニング済みのソリューションは、これまでなかった。

 Microchipはセキュリティの技術を20年以上、手掛けており、そこで蓄積したノウハウを存分に生かした製品だと自負している。

「Trust Platform」は、量産の規模に応じて3種類を用意している

 機械学習の分野では2019年7月に、FPGAを使って低消費電力かつ小型のマシンビジョンシステムを設計するための「スマート エンベデッド ビジョン イニシアティブ」を発表した。産業や医療、車載などの市場向けに、FPGA、IP(Intellectual Property)、ハードウェア、ツールを提供する。FPGAには、MicrochipカンパニーであるMicrosemiの低消費電力FPGAファミリー「PolarFire FPGA」を用いている。

低消費電力の「PolarFire FPGA」を用いているのが特長だ。産業や医療、車載といった用途を狙う

 自動車分野向けには、USB 2.0に対応したスマートハブICのシングルポート品を2019年6月に発表している。この製品はAEC-Q100のグレード3に準拠しており、ラジオの下やセンターコンソール内、無線充電器の横といった場所にシングルポートを追加するのに適している。シングルポートの需要に応えるために開発したもので、同製品の投入によりMicrochipは、USB 2.0および3.0をサポートする1〜4ポートのスマートハブICを提供できるようになった。

――現在、エンジニアが直面している課題とは何でしょうか。

Moorthy氏 エンジニアは、ターゲットアプリケーションに対してコスト競争力のある革新的なソリューションをいかに開発するかという課題を常に抱えている。性能と消費電力の適切なバランスを実現することも重要だ。さらに、開発期間の短縮という課題にも直面している。それらの課題を解決すべく、Microchipは上記の例で挙げたような製品を市場に投入していく。


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提供:Microchip Technology
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2020年2月14日

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