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» 2020年01月29日 11時30分 公開

福田昭のデバイス通信(226) 2019年度版実装技術ロードマップ(36):車載と無線がアルミ電解コンデンサの耐熱性向上を要求 (1/2)

今回は、大容量で低コストという特長を持つアルミ電解コンデンサを解説する。アルミ電解コンデンサの分類と、車載および無線分野におけるアルミ電解コンデンサの要件を紹介しよう。

[福田昭,EE Times Japan]

アルミ箔の酸化膜を誘電体とする大容量コンデンサ

 電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第36回である。

 本シリーズの第31回から、第4章「電子部品」の概要を説明している。第4章「電子部品」は、「4.1 LCR部品」「4.2 EMC対策部品」「4.3 センサ」「4.4 コネクタ」「4.5 入出力デバイス」の5つの節に分かれる。第33回からは「4.1 LCR部品」の第2項「4.1.2 コンデンサ」の概要をご紹介してきた。第33回はコンデンサの全体像、第34回は代表的なコンデンサの1つである「積層セラミックコンデンサ(MLCC:Multi-Layer Ceramic Capacitors)」、第35回(前回)は同じく代表的なコンデンサの1つである「フィルムコンデンサ」の概要をご説明した。

 今回は、もう1つの代表的なコンデンサである「アルミ電解コンデンサ」を解説する。アルミ電解コンデンサは大容量かつ低コストを特長とするコンデンサとして知られる。

2019年6月4日に東京で開催された「2019年度版 実装技術ロードマップ」完成報告会のプログラム。本シリーズの第31回から、第4章「電子部品」(プログラムの8番)の概要を紹介している。出典:JEITA(クリックで拡大)
第4章第1節「4.1 LCR部品」の目次詳細。ロードマップ本文から筆者が書き出したもの(クリックで拡大)

 アルミ電解コンデンサは、アルミニウムの薄い膜(アルミ箔)の表面に形成した酸化膜(「酸化皮膜」と呼ぶ)を誘電体とするコンデンサである。「電解紙(セパレータ紙)」と呼ぶ電極間の絶縁を兼ねた専用の紙に電解液を含浸し、アルミ箔(陽極と陰極)で電解紙を挟んだ構造をしている。酸化皮膜を形成しているのは、陽極側のアルミ箔である。酸化皮膜には整流作用があるので、アルミ電解コンデンサは極性を備える。

 アルミ酸化皮膜は、比誘電率は7〜10とそれほど高くないものの、厚みは1.3nm〜1.5nmと極めて薄い。さらにアルミ箔の表面をエッチングによって粗面化することで表面積を大きく広げている。このように誘電体が極めて薄くかつ広いことが、アルミ電解コンデンサの「大容量」という特長を生み出した。

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