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» 2020年01月30日 11時30分 公開

太陽誘電 社長 登坂正一氏インタビュー:売上高3000億円達成が目前に迫った太陽誘電の2020年戦略 (3/4)

[竹本達哉,EE Times Japan]

10年先を見越した「コトのビジネス」

EETJ コンデンサー、インダクター、フィルターといった「モノ」のビジネスとともに、ソフトウェアやソリューションサービスを組み合わせた「コト」のビジネスの強化にも取り組まれています。コトのビジネスの状況はいかがですか。

登坂氏 コトのビジネスは、顧客の困り事に沿って対応するビジネスであり、現状、売上高数十億円という“ある程度の規模”になってきているものとして、自転車の回生システムビジネスがある。自転車のメカの部分以外を太陽誘電が担当し、それなりのビジネスになっている。これまでは特定の顧客向けビジネスだったが、最近では、他の顧客への広がりが出てきている。

電子部品事業とともに強化を進めている「コト」ビジネスのイメージ (クリックで拡大) 出典:太陽誘電

 今後、コトのビジネスとして狙っていくところとしては、センシングの領域がある。センシングデバイスの場合、デバイス単体だけでなく、ソフト、AI(人工知能)などを含めたコトとして提供しなければ、ビジネスにならないため、コトのビジネスと位置付けている。

 センサーを扱う競合は多いが、太陽誘電は人に近い部分のセンシングに注目し、「においセンシング」に注力している。他があまり取り組んでいない領域で、におい検知のメカニズムが、SAWフィルター、FBARといったフィルターの基本原理が生かせる。現状では、人の鼻に近いレベルのセンシングができるようになった。これを「犬のレベル」への引き上げていく。性能アップが実現できれば、麻薬取り締まりやガンの発見などへの応用できる可能性があり、ビジネスとして期待できる。

 同様に、ハプティクス(触力覚)デバイスも、積層材料、圧電技術をベースに実現できるものなので、ソフトと共に提供することを目指して、将来に向けた仕込みを行っている。医療やロボットなど伸びるアプリケーションに向けて、ニーズが将来あると考えている。

EETJ コトのビジネスとしては、いつごろ、どの程度の規模の売り上げ規模を目指しているのですか。

登坂氏 10年スパンで物事を考えていけば、現状のモノのビジネスは今後10年、同じような動きで、ビジネスは推移していくだろう。ただし、ビジネスは激変するので、10年後も同じようなビジネスができるかは分からない。そこで、センサーやハプティクス技術など人に近いところに資源を充てて、10年ほど先の将来に向けて、コトのビジネスを仕込んでおり、具体的な数値目標は掲げていない。

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