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» 2020年02月19日 09時30分 公開

無いなら作る:中国の技術メーカー700社がマスク生産へ (1/2)

産業/商業登記の変更調査を手掛けるTianyan Inspectionによると、2020年1月1日〜2月7日の期間中に、約3000社の中国メーカー(うち700社が技術メーカー)が、自社の製造ラインにマスクや防護服、消毒液、体温計、医療機器などを追加したという。

[Luffy Liu,EE Times]

 世界保健機関(WHO)が発表したデータによると、2020年2月17日の時点で、新型コロナウイルス「COVID-19」の感染者数は7万1429人に達し、死亡者数は1700人を超えた。

WHOが公開している「COVID-19」のレポート(2020年2月17日版)のスクリーンショット(クリックで拡大)

 感染拡大に関するデータは、毎日リアルタイムで更新されており、依然として非常に厳しい状況が続いている。終息のメドは全く立っていない。ウイルスの封じ込めは、さまざまな要素によって決まる。例えば、十分な数のマスクを生産するといったシンプルかつ基本的な手法も、一つの要素として挙げられる。

”品薄”続くマスク

 COVID-19コロナウイルス(現在の正式名称は「2019-nCoV」)感染症を防止、抑制するための取り組みを進める中、個人用の保護具に対する需要が急増している。このため、マスクの販売価格が急激に上昇し、購入する余裕のある人々の間でも、既にかなりの品薄状態になっている。

 こうしたマスク不足に対応すべく、海外の一部の団体が、日本や米国、ミャンマーなどのさまざまな国からマスクを調達し、中国に送っているという。中国国内のマスクメーカーは、春節休暇中の生産を停止するとしていたが、その計画を中止した。江蘇省蘇州市では、倒産のために生産を中止していたあるマスクメーカーが、570日ぶりに再稼働したという。

 このようにさまざまな措置が講じられているが、防護具の供給は非常に切迫した状況にある。WHOは、「マスクの受注残は4〜6カ月に達し、今にも供給が枯渇しようとしている」とする警告を発表した。こうした状況を受け、中国のさまざまな技術メーカーが、これまで携わったことがないマスクの生産に着手している。

 産業/商業登記の変更調査を手掛けるTianyan Inspectionによると、2020年1月1日〜2月7日の期間中に、約3000社の中国メーカー(うち700社が技術メーカー)が、自社の製造ラインにマスクや防護服、消毒液、体温計、医療機器などを追加したという。

 中国工業情報化部(MIIT:Ministry of Industry and Information Technology)の統計によると、中国のマスク生産能力は、1日当たり2000万枚以上だという。中国政府は2020年2月5日に、「中国全土のマスク生産量は、1日当たり1480万枚に達した。中国政府は、今回のコロナウイルス感染症の収束後に、余剰マスクを回収して備蓄する予定だ」と繰り返し述べた。

 武漢市の人口は900万人で、1日当たりに消費されるマスク数は、2000万枚を軽く超えるという。

 中国海関総署(GACC:General Administration of Customs China)のデータによると、中国は2020年1月24〜30日の6日間で、5600万枚のマスクを輸入したという。

 つまり中国は、一つの都市の2日分のマスク供給量を、6日間の輸入でまかなったということになる。中国の総人口は14億人であることから、これだけの供給量では、需要への対応が非常に難しいということが分かる。

 さらに、世界中で保護具の不足問題が発生していることから、マスクをはじめとするさまざまな保護具の需要が急増している。現在の消費量は、通常時の100倍以上に増大、価格も20倍を上回るまでに高騰している。

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