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» 2020年03月30日 10時30分 公開

江端さんのDIY奮闘記 介護地獄に安らぎを与える“自力救済的IT”の作り方(最終回):走れ!ラズパイ 〜 迷走する自動車からあなたの親を救い出せ (5/10)

[江端智一,EE Times Japan]

「呼びかけシステム」を作る

 では最後に、(3)の「「呼びかけ」システム」の作り方を説明します。

 このシステムは、自宅のPCから音声ファイルを起動して、運転手にメッセージを送付するものです。

(1)秋月電子通商で、TPA2006使用 超小型D級アンプキットを購入します

(2)音声ファイルを作って、ラズパイに放り込みます

 私の場合は、「ボイスロイド「結月ゆかり」」で音声ファイルを作って(参考)、mp3ファイルに変換した後、SFTP(SSH File Transfer Protocol)で音声ファイルを/home/piに送り込みました。音声ファイルのサンプルはこちらをクリックしてください。

(3)mpg321とgpioコマンドをインストールします

$ sudo apt-get install mpg321
$ sudo apt-get install wiringpi

(4)gpioの稼働を確認します

>gpio -v

gpio version: 2.50
Copyright (c) 2012-2018 Gordon Henderson
This is free software with ABSOLUTELY NO WARRANTY.
For details type: gpio -warranty
Raspberry Pi Details:
Type: Pi 3B+, Revision: 03, Memory: 1024MB, Maker: Sony
* Device tree is enabled.
*--> Raspberry Pi 3 Model B Plus Rev 1.3
* This Raspberry Pi supports user-level GPIO access.

(5)TPA2006の、はんだ付けと配線をします

(1)の部分をはんだ付けしてショートさせます(理由は知りません)

(2)と(3)のピンをスピーカー(8Ω 0.3W)に接続します

(4)のピンをラズパイのグランド(6番ピン)に接続します

(5)のピンをラズパイの3Vへ(1番ピン)へ接続します

(6)のピンをGPIO18(12番ピン)に接続します。

(6)簡単な試験

>sudo gpio -g mode 18 pwm
>mpg321 wait4me.mp3

 これで音声がスピーカーから聞こえてきたら成功です。

>alsamixer

 これで、ボリューム調整ができます。

(7)その他

 GPIO18(12番ピン)は、みちびきの1PPS信号用に差してあるが、当面使う予定はないので、こっちを外して音源にして使うことにしました。

(8)自動起動化

(A)概要

 コマンドから、"sudo gpio -g mode 18 pwm"をやるのと同じイメージです。

(B)設定

/home/pi/sounder.py

#!/usr/bin/python
# -*- coding: utf-8 -*-
import os
import time
os.system("sudo gpio -g mode 18 pwm")
$ sudo chmod +755 /home/pi/sounder.py

/usr/lib/systemd/system/sounder.service

Description=Sounder Daemon
[Service]
ExecStart=/home/pi/sounder.py
Restart=always
Type=simple
[Install]
WantedBy=multi-user.target
$ sudo systemctl daemon-reload
$ sudo systemctl enable sounder

 再起動した後、TeraTermから車載の"$ mpg321 wait4me.mp3"を押下して、音声が出力されれば成功です。



 以上、3つのサービスの構築方法について説明しましたが、実際の運用では課題が山積です。

 特に、「SOS通知システム」については、タブレットを自動起動させる方法が分かっていません。父(故人)が自分で「タブレットの電源入れて、無線LANの設定をして、ブラウザを起動する」なんてことは、そもそも想定がナンセンスです(そういう操作ができるくらいなら、行方不明になったりしない)。

 一番望ましいことは、最初から、こういうサービスが最初からイントールされている自動車が販売されることでしょう ―― そういう自動車が売れるかどうかは不明ですが、これからの日本においては、潜在ユーザー数が増えていくことは確実です。

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