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新型コロナで得た12の教訓、“中国の空洞化”の始まりか揺れるサプライチェーン(1/2 ページ)

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響は、もはや中国だけではなく、世界の問題となった。エレクトロニクス業界の企業のほとんどが中国で実際に何が起こっているか、彼ら自身がどのような状況にあるのかについて語るのを好まないなか、EE Timesを有するAspencoreのグローバルチームによる総力取材で見えてきた、サプライチェーンにおける「12の教訓」について報告する。

» 2020年03月31日 07時00分 公開
[Junko YoshidaEE Times]
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 この記事は、2020年3月17日発行の「EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版3月号」に掲載している記事を転載したものです。

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パンデミックの一歩手前に

 中国での新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大から約2カ月が経過した現在、世界はこのウイルスによってパニックに陥っている。感染は中国内よりも急速に拡大しており、この危機はもはや中国だけの問題ではなく、世界の問題になった。

画像はイメージです

 しかしながら、われわれが取材してきたエレクトロニクス業界の企業のほとんどは、中国で実際に何が起こっているのか、または彼ら自身どのような状況にあるのかについて、議論することには消極的である。彼らは基本的に「今はそのような場合ではない」と答えるだけだ。

 これは言い換えれば、いまだ危機のさなかであり、学んだ教訓を振り返って意見を述べるような時間がない、ということである。

 現在進行形でこの危機が世界経済を脅かす中、彼らが影響を最小限に抑えるため、懸命に取り組んでいることは間違いない。だが、十分な見通しを立てられる企業は1つとしてないだろう。

 EE Timesを有するAspencoreには、より広い視点に立った情報提供ができる編集者のグローバルチームがある。そこで今回、各編集者に業界の反応や見解を広く収集するように依頼した。集まった見解はさまざまだが、際立ったことが1つある。

 それは、既に米中貿易戦争によって引き起こされていた「中国から他地域(アジアの他国々)への製造業のシフト」を、COVID-19が加速させたということだ。われわれはいま、『中国の空洞化』の始まりを目撃しているのかもしれない。

これまで学んだ12の教訓

 これまでに集めてきた情報は、下記の通りだ。

1.単一サプライヤーに依存しない

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