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» 2020年03月27日 13時30分 公開

日本は伸びしろがあるのにもったいない:「学会に行って満足」は時代遅れ、米国VCが伝えたいこと (3/4)

[村尾麻悠子,EE Times Japan]

「あなたの会社の価値は1000億円ではなく、1兆円だ」

――日本のスタートアップ市場には、まだ伸びしろがあるということですよね?

Uzzaman氏 その通りだ。われわれがなぜ、日本で成功しているかというと、やはり日本そのものに見込みがあるからだ。ただ、もっとグローバル化しなければ、グローバルのベンチャーは育たない。

 実は先日、AI技術を手掛ける、とある日本のベンチャーと面談した。その際、「夢は何ですか?」と聞いたところ、「2021年にIPOをして、2022年に東証一部に移行することです」という答えが返ってきた。それを聞いて、とてももったいないと思った。グローバルのスタートアップを知る私から見れば、そのベンチャーはNASDAQ(米国にある世界最大級のベンチャー向け株式市場)にも上場できる力を持っているからだ。「あなたの会社には1000億円ではなく、1兆円の価値がある」。ベンチャーの社長には、率直にそう伝えた。

 つまり、グローバルの投資家に会わなければ、自社の価値を世界的な基準で測ることができないということだ。自分たちの本当のレベルすら分からない。投資機関によっては、スタートアップへの投資条件として、「米国VCから投資を受けていること」を挙げているところもある。こうなると、米国VCとの接点がない日本のスタートアップは、最初の選考条件で落とされてしまうことになる。どれほど筋のいい技術を持っていても、だ。これは本当にもったいない。

 日本のスタートアップは、最後の着地点が日本市場での上場で終わってしまっている。ただ、ソニーなどを見ても分かるように、昔の日本のベンチャーはローカルではとどまらなかった。今のスタートアップにも、何とか殻を破り、多くのグローバル投資家を巻き込んで世界に出ていってほしい。そうすれば、他国に負けないくらい日本のスタートアップも成長するはずだ。私は、「技術」という切り口では、日本が進んでいると思っている。

――そうなのでしょうか?

Uzzaman氏 もちろんだ。とても進んでいると思う。ただ、対外的に発表できていない。モノに変えられていないのだ。生まれた技術を、スタートアップという形にできていないということだ。例えば米国では、10個アイデアがあれば、6個はベンチャーになる(=6社のベンチャーが生まれる)。日本だと……ゼロかもしれない。とにかく、日本は大学発のベンチャーをもっと増やしていかないと。

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