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» 2020年04月01日 13時30分 公開

常伝導状態時の100万倍も巨大化:東京大ら、極性超伝導体で巨大な整流特性を発見

東京大学と理化学研究所、東北大学らの研究グループは、極性超伝導体において巨大な整流特性を発見した。異なる2種類の起源による超伝導整流特性が存在していることも明らかになった。

[馬本隆綱,EE Times Japan]

超伝導整流特性、2種類の異なる発現機構が存在

 東京大学大学院工学系研究科の板橋勇輝大学院生、同研究科物理工学専攻の井手上敏也助教、岩佐義宏教授の研究グループは2020年3月、理化学研究所や東北大学金属材料科学研究所のグループと共同で、極性超伝導体において巨大な整流特性を発見したと発表した。異なる2種類の起源による超伝導整流特性が存在していることも明らかになった。

 研究グループは、電気二重層トランジスタ(EDLT)構造によってSrTiO3(チタン酸ストロンチウム)表面に極性構造を持つ2次元電界誘起超伝導を実現し、空間反転対称性の破れに起因する整流特性を測定した。

左がSrTiO3-EDLT、右が整流特性の模式図 (クリックで拡大) 出典:東京大学

 その結果、常伝導状態と超伝導状態の両方において明瞭な整流特性を観測することに成功した。また、超伝導状態における整流作用が、常伝導状態に比べ100万倍に増大することを突き止めた。

 さらに、超伝導整流特性の温度依存性を詳しく調べた。これにより、「電荷揺らぎ」と「超伝導ボルテックスの運動」という、2種類の異なる発現機構によって整流特性が存在することが分かった。それぞれが温度に応じて移り変わることも明らかとなった。

左がSrTiO3-EDLTの超伝導移転、右が超伝導相と常伝導相における整流特性 (クリックで拡大) 出典:東京大学

 このような超伝導整流特性は、空間反転対称性の破れた物質における、特徴的電子状態や超伝導ボルテックスの運動を詳細に反映した現象だという。研究グループは今後、空間反転対称性の破れた超伝導体における実証と機構解明が進むとみている。

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