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» 2020年05月14日 11時30分 公開

2019年は計71件に4億ドル超:AI新興企業への投資を拡大するIntel

Intelの投資部門であるIntel Capitalは、技術新興企業向けの投資ラウンドに参加し、11社の企業を対象として、1億3200万米ドルを提供することを発表した。Intel Capitalは、「今回の投資ラウンドでは、AI(人工知能)技術や自律計算、IC設計などの分野に注力している」と述べている。

[Brian Santo,EE Times]

 Intelの投資部門であるIntel Capitalは、技術新興企業向けの投資ラウンドに参加し、11社の企業を対象として、1億3200万米ドルを提供することを発表した。Intel Capitalは、「今回の投資ラウンドでは、AI(人工知能)技術や自律計算、IC設計などの分野に注力している」と述べている。

Intel Capitalが投資した11社の企業

 Intel Capitalは2020年に入ってから、AnodotやAstera Labs、Retraceなどの企業に投資している。Intel Capitalによれば、Anodotは、機械学習を使用した自動業務管理を実現する企業であり、またHypersonixは、小売業や飲食業、ホスピタリティ企業、eコマースなどの消費者産業向けに、AIベースの自動分析プラットフォームを開発している。さらに、Retraceが開発した予測分析プラットフォームは、リアルタイムデータにAIを適用することで、歯科分野における意思決定を向上させることが可能だという。これらの企業は、いずれもAIを採用しているが、ツールとして使っているのであって、最終製品ではない。

 Anodotは、財務実績指標からソーシャルメディア反応に至るまで、あらゆる種類のビジネス指標を監視する他、リアルタイムのコンテキスト型警告を提供して、売上高やコストに影響を及ぼす事象を把握することができるという。こうした事象の例としては、成功率の低下や、アプリケーション性能など、さまざまなビジネス指標などが挙げられる。同社の顧客企業には、AtlassianやT-Mobile、UPS、Nordstrom、Pandoraなどが名を連ねる。

 2014年設立のAnodotは、後期段階(成長後期)のベンチャー企業である。最近では2020年4月半ばに、シリーズCの投資ラウンドを終えたところだ。Intel CapitalはこのシリーズCにおいて主導的な役割を担い、Anodotに総額3500万米ドルの資金を提供している。

 2018年設立のHypersonixも同様に、“意思決定”をサポートするビジネス手法を展開している。同社が開発したプラットフォームは、地域ごとの業績からウェブトラフィック統計に至るまで、幅広い種類の異なるソースからさまざまな指標を引き出して分析することが可能だ。同社は、2020年5月初めに行われたシリーズAの投資ラウンドにおいて、1150万米ドルを獲得している。このラウンドには、Intel Capital率いる投資企業が、4社参加している。

 Retraceは、歯科分野向けに意思決定をサポートする。AnodotとHypersonixがビジネス指標を取り扱うのに対し、Retraceのシステムは基本的に、歯科記録を対象とする。Retraceが重要視しているのは、ハッカーが視覚的な歯科記録(レントゲン写真など)を狙って、それを故意に変更し、データ評価を担うAIシステムを混乱させようとするという事実だ。Retraceによると、同社のシステムは、このようなサイバー攻撃に対して安全性を確立する設計を実現しているという。

 Retraceの財務実績は、現在のところ確認できない(例えば、ベンチャー企業データベースのCrunchbaseには、AnodotとHypersonixの情報は掲載されているが、Retraceの情報は見当たらない)。しかし、同社は2020年3月に、クラウドファンディングプラットフォームGoFundMeに登録したようだ。ただ、本記事の執筆時点で、寄付金額はまだゼロである。

ファブレス半導体メーカーにも投資

 そしてもう1社、注目に値するのが、ファブレス半導体メーカーであるAstera Labsだ。Intel Capitalは、「Astera Labsが手掛けるデータ集約型システム向けのコネクティビティソリューションは、機械学習などの数値計算負荷における性能ボトルネックを解消することができる。また、同社のシステムアウェアなICやボード、サービスなどは、PCI Express(PCIe)やCompute Express Link(CXL)ソリューション向けに堅牢なコネクティビティを実現することが可能だ」と述べている。

 また、Astera Labsが開発したリタイマーは、データセンターで利用することにより、PCIe 4.0/5.0でのAI負荷への対応を迅速化することができるという。

 Astera Labsは2017年設立の企業で、2020年4月末に行われたシリーズBの投資ラウンドを終えたところだ。このラウンドには、Intel Capitalも参加している。Astera Labsのこれまでの資金調達総額は、640万米ドルに達したという。

 Intel Capitalの投資先としてもう1社注目を集めているのが、ソフトウェアメーカーMemVergeである。同社は、「全てのアプリケーションをメモリで実行すべきだ」とする展望を掲げ、DRAMと永続性メモリ(パーシスタント・メモリ)とを組み合わせた、ペタバイト規模の巨大な“プール”の必要性を主張してきた。そして、このようなプールの基本的な管理が可能なソフトウェア「Memory Machine」を開発するに至った。

 MemVergeは、「当社が開発した『Big Memory』ソフトウェアは、メモリのコストを低減して拡充することにより、ZeroIOスナップショットやメモリ複製、超高速リカバリーなどのメモリデータサービスの高可用性を実現する」と主張する。Intel CapitalがMemVergeに投資した背景には、基本的に、自社のOptaneメモリの有用性と魅力を高めたいという狙いがあったようだ。

 MemVergeは2019年に、シリーズAの投資ラウンドを終えている。この時、Intel Capitalは参加していなかった。Intel Capitalが2020年に実施した投資については、ほぼ全て公に記録されているが、MemVergeへの投資については、まだ発表されていないようだ。

 Intel Capitalは2019年、36件の新規投資と、35件の追加投資を行い、その総額は4億6600万米ドルに上るという。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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