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半導体生産能力、2022年には中国が世界2位に20年には日本、22年には韓国を上回ると予測

米国の市場調査会社IC Insightsは2020年6月24日(米国時間)、半導体生産能力の国/地域別シェアに関する予想を発表した。この予想によると、2022年には中国が韓国、日本を上回り世界シェア2位の座につくという。

» 2020年06月30日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 米国の市場調査会社IC Insightsは2020年6月24日(米国時間)、半導体生産能力の国/地域別シェアに関する予想を発表した。この予想によると、2022年には中国が韓国、日本を上回り世界シェア2位の座につくという。

台湾は引き続きシェアナンバー1を維持

 IC Insightsが、2019年12月時点の国/地域別半導体生産能力に関するデータなどを基に、2024年までの動向を予想したもの。なお各国/地域のデータは企業の本社所在地とは関係なく、工場が存在する国、地域をベースに集計している。例えば、Samsung Electronicsが米国テキサス州オースティンに有する工場の生産能力は米国の生産能力に加算されている。

 IC Insightsによると、2019年の国/地域別半導体生産能力(200mmウエハーに換算した月間処理能力)は、TSMCを有する台湾が全体の21.6%を占めシェア1位となっている。台湾は2011年にそれまで首位だった日本を超え初めて1位となった。その後、一時は韓国に首位を奪われたものの2015年に再び追い抜き、世界シェアトップの地位を確立している。IC Insightsは、少なくとも今回の予想の範囲である2024年まではその1位を維持するとしている。

急成長を続ける中国、3年のうちに4位から2位へ

 台湾の後は、2位がシェア20.9%で韓国、3位が16%で日本、4位が13.9%で中国、5位が12.8%で北米、6位が5.9%で欧州と続く。残り9%はシンガポール、イスラエル、マレーシアおよび、ロシア、ベラルーシ、オーストラリアなどで構成されるROW(Rest of the World)だ。中国は2010年に初めて欧州を上回った後、2016年にはROWを超え、2019年に北米を抜いて4位となった。

国/地域別の半導体生産能力のグラフ 出典:IC Insights

 IC Insightsは、「2019〜2024年の期間における国/地域別シェアでは、中国が最も大きな成長を見せるだろう」としており、2020年には日本を超えた後、2022年には韓国も上回り、世界2位になると予想している。この理由について、IC Insightsは、「現在建設中の中国主導の大規模なDRAMおよびNAND型フラッシュメモリのファブ展開については期待感が薄れているものの、今後数年の間に他国に本社を置くメモリメーカーや他デバイスの現地メーカーからも相当量の生産能力が中国に入ってくるだろう」と説明している。

 一方で、北米のシェアについては、「米国の大規模なファブレスサプライヤーが、台湾を中心としたファウンドリーに引き続き依存する」として、2024年までの間に減少すると予測。同様の理由で欧州も、生産能力シェアの減少が続く、としている。ただ、これらの予想は2019年12月までのデータを基にしたものであり、米国で2020年6月に提出された、米国内の半導体製造を強化するための法案「CHIPS for America Act」およびTSMCのアリゾナ州への工場建設など、米国内での半導体製造復活の動きによって変動していく可能性もあるだろう。

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