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小型・高効率の5G基地局用GaN増幅器モジュール形状6×10mm、電力効率43%以上

三菱電機は、5G(第5世代移動通信)基地局向けに、小型で電力効率の高いGaN(窒化ガリウム)増幅器モジュールを開発した。大きさは同社従来製品に比べ90分の1、電力効率は43%以上である。

» 2020年07月20日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

5G基地局の小型化と電力消費節減を可能に

 三菱電機は2020年7月、5G(第5世代移動通信)基地局向けに、小型で電力効率の高いGaN(窒化ガリウム)増幅器モジュールを開発したと発表した。大きさは同社従来製品に比べ90分の1となり、電力効率は43%以上を実現した。

 新たに開発した5G基地局向けGaN増幅器モジュールは、整合回路にコンデンサーやインダクターなどのチップ部品を用い、部品点数を最小化した。また、精度の高い電磁界解析手法を用いるなどして、チップ部品間の干渉を抑え高密度実装を実現した。これにより、GaN増幅器モジュールの外形寸法は6×10mmまで小さくなった。

 同社がこれまで4G基地局向けに供給してきた増幅器は、整合回路に金属箔(はく)の線路を用いていた。このため、電力損失が比較的小さく電力効率に優れていたが、外形寸法は60×78mmと大きかった。新製品は従来に比べると極めて小さく、多素子アンテナを用いる5G基地局の小型化を可能にする。

4Gと5Gの基地局イメージ図と増幅器の写真 (クリックで拡大) 出典:三菱電機

 また、チップ部品を用いながらも、独自の整合回路技術を適用することで電力損失を抑制した。この結果、3.4〜3.8GHzの周波数範囲において、電力効率43%以上を達成した。これは世界最高の数値だという。5G基地局の消費電力節減につながるとみている。

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