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» 2020年07月21日 10時30分 公開

半導体製品のライフサイクルに関する考察(1):半導体製品のライフサイクルと製造中止(EOL)対策 (1/3)

実際、半導体業界全体で、多くの半導体製品(およびこれらの代替品を含む)の平均寿命は3〜5年未満といわれ、製品群によっては約2年というようなケースも散見されている。このことからも、半導体の製造中止は非常に身近な問題であるといえる。ここでは、その対策について検討する。

[Rochester Electronics,EE Times]

 半導体応用機器を製造している企業にとって、半導体製品の製造中止や廃品種は、とても身近なリスクになっていて、その対策が必要になる。

 一般的に、産業/設備機器や社会インフラ装置など、製品寿命が長い製品に使用されている半導体製品や電子部品のうち約70%は、製品寿命に到達する前に、構成部品である半導体が、製造中止あるいは廃品種になるといわれている。これは避けられない事実であり、この製造中止や廃品種になる半導体への対策については、常に検討すべき問題になっている。

平均寿命3〜5年、半導体製品のライフサイクル

 検討するにあたり、半導体製品のライフサイクルについて、改めて検証したい。図1に、半導体製品の一般的なライフサイクルを示す。各半導体サプライヤーは、製品開発後、プロトタイプ製造を経て、量産を開始する。その後、市場での動向を見ながら、需要が減少し始めたことを確認し、製造中止のプロセスへ移行する。製造中止後しばらくの間は、受注に合わせ半導体メーカーから製品が提供されるが、半導体メーカーからの提供が完了した後は、その他さまざまな継続供給のためのサービスが提供される。

図1:半導体のライフサイクル

 実際、半導体業界全体で、多くの半導体製品(およびこれらの代替品を含む)の平均寿命は3〜5年未満といわれ、製品群によっては約2年というようなケースも散見されている。このことからも、半導体の製造中止は非常に身近な問題であるといえる。ここでは、その対策について検討する。

製造中止という問題

 では、どのようにして製造中止の問題を解決すればよいのだろうか。解決するためには、製造中止になった半導体製品と、同一形状/サイズ、機能が同じである半導体製品を購入することが最終的な目標になる。この目標に対し多くの企業から、これらの要件を満たすことができると主張するさまざまな「製造中止品代替ソリューション」が提供されている。

 しかしながら、多くのソリューションでは、要件を満たすことができない。製品供給面からも、技術的にも、包括的で永続的なソリューションとはなっておらず、完全一致ではなかったり、短命であったりといった、不完全なソリューションが提供されている。

 当然のことではあるが、半導体メーカーから製品製造中止通知が配信された場合、最も迅速かつ経済的な対応は、その半導体製品を使用している半導体応用製品が想定している寿命をカバーするために、必要な数量の最終購入を行い購入した製品の保管することである。

 場合によっては、対象となる半導体製品をウエハーレベルで最終購入を行うこともある。しかしながら、ウエハーレベルの購入は、常に可能であるとは限らない。

 別の側面として、半導体メーカーが所有する在庫が利用できない場合や製品製造中止通知の配信を見逃している場合がある。

 また、大量の最終購入を行うために必要な資金が不足しているか、または調達できたとしても安全に在庫を保管する設備がない可能性がある。

 半導体メーカーは常に、顧客が偽造品や品質の劣る製品を購入することがないよう、製造元または正規の販売代理店からのみ購入するよう管理している。そのため、必要に応じて必要な数量を自由に調達することは困難である。

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