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» 2020年07月30日 17時00分 公開

製品分解で探るアジアの新トレンド(47):宣伝文句に踊らされるな! 分解するから分かる“中身との差” (2/3)

[清水洋治(テカナリエ),EE Times Japan]

宣伝文句と“中身”に違いはある?

 ここから話題を変えて2020年にインターネットで数多く宣伝されている製品の分解、解析を取り上げる。

 弊社は依頼があれば、製品の外側(箱やマニュアルなど)に記載されている情報と実際の中身が合っているかどうかを、チップ開封と解析で調査することも行っている。例えば、記載されている情報とは異なる容量や外観のSSDやフラッシュメモリが搭載されている製品なども出回っているからだ。

 図3は2020年春からインターネット上(特にSNS)に多数掲載された広告の一部をスクリーンショットし、切り取って掲載したものである。

図3:インターネット上で広告をよく見かける蚊よけブレスレット 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 AI(人工知能)チップの調査をいくつかの会社から受けており、ほぼ毎日ネットに掲載されるAIのニュースを巡回するが、「AIチップ」というキーワードが当該製品に使われていたので、入手して分解したのである。本製品や業者を揶揄(やゆ)したり批判したり目的ではないので、広告の主要キーワード以外はモザイク処理をしている。

 今回の調査対象は、超音波を発して蚊を遠ざけるという「蚊よけブレスレット」だ。価格は、数百円から数千円まで、大きなバラつきがある。弊社ではあえて一番高い物も買ってみた。

 図4は蚊よけブレスレットの外観、ベルトを取り外した様子、そして、ネット広告の仕様(黄色一部モザイク)と製品に付属しているマニュアル情報との比較である。見て分かる通り、周波数が異なっているのと、製品マニュアルにはAIの文言が一切記載されていない点が大きな違いであった。

図4:蚊よけブレスレットの外観と製品情報 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 図5は、蚊よけブレスレットの分解の様子と内部の構造である。内部は3つの部品で構成されている。音を出すためのピエゾブザー、電子基板、電池である。外側の筐体にぴったり当てはまるサイズになっていて、いわゆるリストバンド型のウェアラブル機器と似通った構造となっている。

図5:蚊よけブレスレットの分解の様子 出典:テカナリエレポート(クリックで拡大)

 基板上にはチップが2個とLEDと操作用のボタンだけが設置されている。小型なSOT23のチップには型名があり、型名から仕様を確認することができる。これは、電源系のレギュレーターであることが判明した。一方、SOP8のチップには型名がなく外観からは中身が分からない。中身を知られたくないチップでは、よくあるケースだ(わざわざレーザーで型名を削ることもある)。チップのパッケージ外観では判断できないものは開封確認を行う。

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